伴野時長

伴野 時長の生涯と業績

伴野 時長（ともの ときなが）は、鎌倉時代前期に活躍した武将で、御家人として知られています。彼の別名は小笠原時長であり、甲斐源氏の一派である小笠原長清の嫡男という背景があります。時長は、伴野氏の祖であり、彼の名は地域の豪族としての地位を指し示しています。

生涯の初期

承久元年（1219年）7月19日、時長は三寅（後の4代将軍藤原頼経）と共に鎌倉へ赴く際に先陣を務めており、彼の武士としてのキャリアはここから始まったとされています。承久の乱が発生した同年、彼の父・長清は鎌倉方の大将として、時長も含む8人の子供と共に東海道を経て京へ攻め上がり、上皇方と戦いました。これにより、時長は氏族の名声を高めるとともに、彼自身の名も広まりました。

武士としての活動

承久の乱後、時長は正月の弓始めの儀で射手として度々参加し、その才能を示しました。特に、1222年には一条実雅の邸宅での小笠懸や、9月22日の宇都宮辻子での草鹿の勝負、さらには由比ヶ浜での犬追物や流鏑馬といった行事にも参加し、武士としての腕前を発揮しました。これらの活動は、彼の名声が世間に定着する要因となりました。

伴野荘の発展

時長は広大な伴野荘（現在の長野県佐久市）を拠点として権力を持っていました。この荘園は「大きな荘園」とされ、当時の年貢高は建武2年（1335年）頃には八千貫に達していました。伴野荘には、源氏一門の有力者であった平賀氏との関係も深く、平賀郷を含んでいます。承久の乱では幕府に敵対した大内惟信がこの地を任され、時長はその後を引き継ぐ形となりました。

家族と子孫

伴野時長には娘がおり、その娘は安達義景に嫁いで安達泰盛をもうけています。こうした家族関係は、伴野氏の後継者を継承することにもつながり、時長の家系は次世代にも影響を与えました。特に、孫の伴野長泰は安達泰盛の従兄弟であり、家系のつながりは非常に密接であったことが伺えます。

最後の記録と遺産

弘長2年（1263年）8月9日、時長は6代将軍宗尊親王の上洛の際に随兵として選ばれ、彼の記録はそこで途切れています。伴野時長の生涯は、武士としてのみならず、地域を代表する有力者としての側面も持ち合わせており、その足跡は後世に語り継がれていくことでしょう。彼の名と功績は、鎌倉時代の武士の中でも特に重要な一人として認識され続けています。

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