佐佐木行忠

佐佐木行忠（1893年7月26日 - 1975年8月10日）は、日本の華族であり、侯爵、貴族院議員として活躍しました。神職としても、神社本庁統理、伊勢神宮大宮司、國學院大學の理事長・学長を歴任し、その活動は多岐にわたります。

生涯

1893年、東京府（現在の東京都）に生まれた佐佐木行忠は、祖父である佐佐木高行の死去に伴い、1910年に侯爵を襲爵しました。学習院高等科を卒業後、京都帝国大学法科大学政経科に進学しましたが、後に東京帝国大学文科大学に転入学しました。

1918年には貴族院侯爵議員に就任し、国政にも参加。1937年と1944年には貴族院副議長も務めました。しかし、1946年には貴族院議員を辞職しています。

神職としての活動も重要で、1934年から皇典講究所の所長、1942年からは國學院大學の学長を歴任しました。第二次世界大戦後、GHQの指令により皇典講究所が解散した際には、國學院の財団創立に尽力し、理事長に就任しましたが、後に公職追放を受けました。その後、1946年に神社本庁顧問、1951年には伊勢神宮大宮司、1959年には神社本庁統理に就任。1959年からは國學院大學の理事長・学長に復帰し、1970年に退任するまで務めました。また、学校法人國學院大學栃木学園理事長（1958年～1970年）と國學院大學栃木短期大学初代学長（1968年～1969年）も兼任しました。

佐佐木行忠の墓所は、青山霊園にあります。

栄典

1916年（大正5年）には正五位、1931年（昭和6年）には帝都復興記念章を受章しています。

家族・親族

佐佐木行忠の祖父は佐佐木高行、父は佐佐木高美です。妻の米子は、元宮内省大膳頭の上野季三郎の四女です。長男の佐佐木行美は東京大学理学部の教授を務め、住友財閥の16代目当主・住友吉左衛門友成の長女と結婚しました。長女の美枝子は、劇作家・演出家の串田孫一の妻であり、俳優の串田和美の母です。義兄には服部時計店の2代目社長を務めた服部玄三や、加藤高明の次男で東明火災海上保険の取締役を務めた加藤厚太郎がいます。また、義弟には團琢磨の長男で九州朝日放送会長を務めた團伊能がいます。さらに、元東洋レーヨン会長の伊藤與三郎の妻・志保子は、佐佐木行忠の従妹にあたります。

佐佐木行忠は、華族、政治家、神職、教育者として、多岐にわたる分野で活躍し、日本の歴史に名を刻んだ人物です。

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