佐原町

千葉県香取郡にかつて存在した佐原町

佐原町（さわらまち）は、かつて千葉県香取郡に存在した町です。現在の香取市の北西部に位置し、旧佐原市の中心部にあたります。1951年に周辺の町村と合併し、佐原市となりました。

地理

佐原町の地形は、南部に下総台地が見られるものの、大部分は利根川下流域の低地帯です。町域の中央を利根川が東に流れ、市街地の中心部には利根川の支流である小野川が流れています。この豊かな水流が、佐原の街並みを特徴づけています。

歴史

佐原町の歴史は、町村制が施行された1889年（明治22年）4月1日に始まります。佐原町、篠原村、長島村、中州村、西代村の一部が合併して佐原町が発足しました。

鉄道の開通

1898年（明治31年）2月3日には、成田鉄道（初代）の滑河駅 - 佐原駅間が開業し、佐原駅が設置されました。これにより、佐原は鉄道による交通の便を得ることになります。

県境の変更

1899年（明治32年）4月1日には、千葉県茨城県境界変更法律により、横利根川以西の佐原町の一部と新島村の一部が本新島村に併合され、茨城県稲敷郡に移管されました。

利根川の治水

1900年（明治33年）には、政府による利根川第一期工事（佐原から銚子間）が開始されました。しかし、1910年（明治43年）8月中旬には利根川大洪水が発生し、岩ケ崎、笄島地先で堤防が決壊するなどの被害が出ました。

文化的な出来事

1919年（大正8年）3月2日には、諏訪公園内で伊能忠敬銅像（大熊氏廣作）の除幕式が行われました。この日は山車が町内を練り歩き、盛大な祝賀行事が行われました。

その後

1920年（大正9年）9月1日には、成田鉄道が国有化されました。1921年（大正10年）3月31日には、横利根閘門が竣工しました。1923年（大正12年）には、関東大震災の際に在住朝鮮人が殺害された佐原事件が発生しました。

1936年（昭和11年）3月3日には、水郷大橋が完成しました。1945年（昭和20年）6月23日には、アメリカ軍兵士に対する私刑殺害事件である佐原町事件(能崎事件)が発生しました。

佐原市の誕生とその後

1951年（昭和26年）3月15日、佐原町は香取町、香西村、東大戸村と合併して佐原市を新設し、佐原町は廃止されました。その後、2006年（平成18年）3月27日には、佐原市が小見川町、山田町、栗源町と合併して香取市を新設し、現在に至ります。

人口

1920年の第一回国勢調査における佐原町の人口は15,299人で、県内で3番目に多い町でした。

交通

鉄道

佐原町には、日本国有鉄道（現：東日本旅客鉄道）の成田線が通り、佐原駅が設置されていました。

道路

県道千葉-佐原線（現：国道51号）が町内を通過していました。また、水郷大橋は、佐原町の働きかけによって建設された、利根川の栄橋より下流で初めての橋梁でした。

港湾

佐原町には佐原港がありました。

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