佐多岬ロードパーク

佐多岬ロードパーク

佐多岬ロードパークは、鹿児島県南大隅町大泊から佐多岬までを結ぶ道路の愛称です。かつては有料道路でしたが、現在は南大隅町の町道として無料で通行できます。

歴史

この道路は、岩崎グループが佐多岬周辺の観光開発を目的に建設しました。1957年に着工し、建設には困難を伴いました。起点となる大泊まで道路がなく、工事用のブルドーザーや燃料を船で運ぶ必要がありました。当初は三州自動車の専用道路として認可されましたが、1964年に一般有料道路となりました。建設には7年の歳月と5億7000万円の費用が費やされました。

開通当初は観光道路としてだけでなく、田尻集落の生活道路としても利用され、集落の協力も得て建設されました。1973年には年間6万台の通行がありましたが、その後は減少に転じ、2005年には2万台まで減少しました。

2004年頃から、岩崎グループは道路の休止を検討し始めましたが、地元の町との協議の結果、南大隅町への移管の方針が決まりました。2007年には一部区間が南大隅町に譲渡され、無料化されました。残りの区間も2012年に南大隅町が購入し、全区間が町道として無料になりました。

道路概要

佐多岬ロードパークは、南大隅町大泊付近を起点とし、全長約9kmです。道路はおおむね2車線が整備されていますが、途中にある岩崎トンネルは1車線のため、対向車とのすれ違いに注意が必要です。道路の途中には、観光船「さたでい号」の発着所や海水浴場のある田尻集落があります。

終点の駐車場からは、徒歩で佐多岬展望台まで約800m移動する必要があります。途中には第二岩崎トンネルがあります。

料金

有料道路時代には、普通車の往復通行料が1,000円、遊歩道から先の入園料が大人100円、子供50円でした。その後、佐多岬展望公園への入園料と展望台利用料が設定されましたが、2012年10月30日の町への完全移管後は無料となっています。

その他

南大隅町では、佐多岬に到着したことを示す証明書を発行しています。この証明書は、遊歩道内の売店や南大隅町佐多支所、田尻集落のさたでい号発着所で購入できます。

脚注

野田千尋『佐多岬』（増補新版）渕上印刷、1976年、pp.98 - 101頁。
末永勝介『岩崎與八郎伝』（初版）岩崎グループ、1995年6月30日。

関連項目

九州地方の道路一覧
無料開放された道路一覧
廃止された自動車道
久住高原ロードパーク - 同じ岩崎産業の経営する有料道路（2022年現在通行止め）

外部リンク

佐多岬（南大隅町ホームページ）
南日本新聞 懐かしフォトギャラリー - 開通した頃の佐多岬ロードパークの写真を紹介している。
* Road to Cape Sata ～ 佐多岬ロードパーク、その後 - 休業問題に揺れた2004年当時の訪問記。

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