佐多町

佐多町（さたちょう）

佐多町は、かつて鹿児島県肝属郡に属していた町です。大隅半島の最南端に位置し、日本本土最南端の佐多岬があることで知られていました。2005年3月31日に根占町と合併し、南大隅町が発足したことにより、自治体としての佐多町は消滅しました。

地理

佐多町は、大隅半島の南端に位置し、その地形は変化に富んでいます。海岸線は断崖絶壁が続き、山間部には標高200mから500mの盆地が点在しており、そこに集落が形成されていました。町の北部には稲尾岳や木場岳などの山々がそびえ立ち、大隅海峡を流れる黒潮の影響で、亜熱帯性の植物が多数見られる温暖多湿な気候が特徴です。かつては薩摩藩の薬園として、龍眼、レイシなどの熱帯植物が栽培されていました。町内は、伊座敷、郡、辺塚、馬篭の4つの大字から構成されていました。

歴史

原始・古代

佐多町内では、縄文時代後期や弥生時代後期の土器や石器が発見されており、古くから人々が生活していたことが伺えます。特に大泊貝塚からは、大量の貝殻、土器、石器、魚骨などが出土しており、当時の生活を知る上で貴重な資料となっています。

中世

11世紀には、禰寝氏の祖とされる藤原頼光の所領配分帳に「佐多」の地名が見られ、鎌倉時代には、禰寝高清が源頼朝から佐多10町を地頭として治めることを許されたとされています。鎌倉時代末期には佐田村とも表記され、佐多氏が支配していましたが、禰寝氏の惣領家によって支配されることになります。

近世

江戸時代には、辺津加村、伊座敷村、山崎村、郡村の4つの村が存在し、大隅郡佐多郷に属していました。その後、辺津加村は辺塚村となり、山崎村は馬篭村に代わりました。禰寝氏が吉利に移封された後、佐多は島津氏の直轄領となり、立目崎には遠見番所が設置され、主要な港として栄えました。また、薩摩藩によって佐多旧薬園と上之園薬園が設けられ、薬草採取園として熱帯植物が栽培されました。

近代

明治時代に入り、廃藩置県により鹿児島県に属しましたが、一時的に都城県に編入された後、再び鹿児島県に編入されました。郡区町村制の施行により、大隅郡に属し、その後、肝属郡に所属が変更されました。

沿革

1889年（明治22年）4月1日：町村制施行により、伊座敷村、馬篭村、郡村、辺塚村が合併し、佐多村が発足。
1947年（昭和22年）9月1日：佐多村が町制施行し、佐多町となる。
2005年（平成17年）3月31日：佐多町が根占町と合併し、南大隅町が発足。

地域

教育

佐多町には、中学校1校、小学校7校、保育所1所がありました。

医療

町内には、へき地出張診療所が3か所、歯科診療所が1か所ありました。

交通

空港：最寄りの空港は鹿児島空港です。
鉄道：町内には鉄道が通っていません。最寄りの駅は志布志駅または国分駅です。
道路：国道269号線、県道68号線、県道74号線、県道566号線、佐多岬ロードパークなどが整備されています。

姉妹都市・友好都市

北海道 稚内市
北海道 根室市
長崎県北松浦郡 小佐々町

名所・旧跡・観光スポット

佐多岬（日本本土最南端の地）
佐多旧薬園（国の史跡）
ソテツ自生地（国の特別天然記念物）
半潜水型水中展望船「さたでい号」

関連項目

鹿児島県の廃止市町村一覧
* 南大隅町

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