佐竹義真

佐竹義真について

佐竹義真（さたけ よしまさ）は、江戸時代中期に活躍した大名であり、出羽国久保田藩の第6代藩主です。佐竹氏の第24代当主としても知られています。通称は次郎、官位は従四位下・侍従、さらに左兵衛督という役職も務めました。

生い立ちと初期の経歴

享保17年（1732年）8月4日に、佐竹義堅（5代藩主・佐竹義峯の養子）の長男として誕生しました。母は野口氏です。幼名は左吉、後に徳寿丸と改めました。この「徳寿丸」という幼名は、佐竹家の嫡子であることを示す特別なものでした。

元文3年（1738年）には、幕府に丈夫届を提出する際、年齢を4歳上積みして生年を偽っています。これは当時の慣習であったと考えられます。また、この時に幼名を左吉から徳寿丸に改めました。同年4月には、父・義堅の嫡子としての届け出を幕府に行っています。寛保2年（1742年）には、祖父である佐竹義峯の世嗣となりました。義峯には実子がいなかったため、分家から父・義堅を養子に迎えたものの、義堅が家督を継ぐことなく亡くなったため、義真が後継者となったのです。

延享元年（1744年）には通称を次郎とし、同年には8代将軍・徳川吉宗に初めて謁見しました。延享3年（1746年）には、従四位下左兵衛督に叙任されています。

久保田藩主として

寛延2年（1749年）10月16日、祖父・佐竹義峯の死去により、家督を相続し、久保田藩主となりました。同年12月には侍従に昇進しています。宝暦元年（1751年）には、初めてお国入り（領地へ赴くこと）の許可を得て、同年5月8日に久保田城に到着しました。宝暦2年（1752年）には、前田吉徳の娘である揚と結婚しています。

急逝とその後

しかし、宝暦3年（1753年）8月20日、久保田城において22歳（官年では26歳）という若さで亡くなりました。死因は全身に腫物ができ、足が麻痺したこととされています。この急逝は当時から様々な憶測を呼び、江戸時代の講談では毒殺説も語られています。

正室である揚との間には子供がおらず、久保田藩主佐竹家は、出羽岩崎藩主・佐竹義道の長男である佐竹義明が家督を相続しました。

系譜

父: 佐竹義堅（1692-1742）
母: 野口氏
養父: 佐竹義峯（1690-1749）
正室: 揚（盛徳院）（1737-1762） - 前田吉徳の三女
* 養子: 佐竹義明 - 佐竹義道の長男

佐竹義真は、若くして藩主となりながらも、その短い生涯の中で様々な出来事を経験しました。その死は謎に包まれ、後世に様々な物語を生み出しています。

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