佐野橋

佐野橋

佐野橋は、群馬県高崎市の烏川に架かる人道橋です。上佐野町と佐野窪町を結び、その長さ113メートル、幅2.3メートルの木橋は、洪水時に橋桁が流失する流れ橋として設計されています。

概要

橋脚はH鋼製で11本（12径間）からなり、その上に木製の橋桁が載せられています。橋が現在の場所に架けられた時期は明確ではありません。

この橋の周辺には、かつて舟を並べて板を渡した舟橋が架かっており、悲恋の物語が伝えられています。「佐野の舟橋」として知られ、万葉集にも「かみつけの佐野の舟橋とりはなし親はさくれど吾わはさかるがへ」と詠まれ、芸術・芸能の世界で度々題材とされてきました。西行や藤原定家などの歌人もこの地を訪れ歌を詠み、能楽の謡曲「船橋」もこの物語を題材としています。

江戸時代には、葛飾北斎が「諸国名橋奇覧」シリーズで舟橋を描いています。

周辺には、ことわざ「いざ鎌倉」の由来となった謡曲「鉢木」の舞台である常世神社や、藤原定家を祀る定家神社があります。

度重なる流失と復旧

佐野橋は、台風などによる増水で度々流失の被害を受けています。災害復旧工事では、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法により「原形復旧」が求められます。永久橋への架け替えには、佐野窪町側の終端を寺尾町の堤防まで延伸する必要があり、長期間の通行止めが予想されるため、流れ橋として復旧されています。

2019年（令和元年）の東日本台風では、橋桁と橋脚4基が流失し通行不能となりましたが、約8300万円をかけて復旧工事が行われ、2020年7月22日に利用が再開されました。

アクセス

上信電鉄上信線佐野のわたし駅から約200m。

関連項目

* 中乗橋

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