保呂羽山

保呂羽山（ほろわさん）

保呂羽山は、秋田県横手市大森町八沢木にそびえる標高438メートルの山です。この地域において重要な文化的および宗教的な場所として知られています。山の麓には波宇志別神社が存在し、その神楽殿は1980年に国の重要文化財に指定されています。神楽奉納は現在行われていませんが、秋田県横手市大森町木ノ根坂に位置する大友家が里宮を所有しており、そこで毎年11月には霜月神楽が奉納されており、1977年には「保呂羽山の霜月神楽」として国の重要無形民俗文化財にも指定されました。

保呂羽山の開山は、天平宝字元年（757年）8月とされ、波宇志別神社は『延喜式神名帳』にもその名が記されています。また、湯沢市の御嶽山や大仙市の神宮寺岳に祀られている神々は姉妹であると伝えられています。昔、保呂羽山は女人禁制とされていた時代もあり、子守りをしていた娘が誤って山に入り、神の怒りを買って岩にされたという伝説が残っています。このように、保呂羽山はその名に相応しい歴史と伝説に満ちています。

「保呂羽」の名は、アイヌ語に由来すると考えられています。「ポロ」は「大きい」という意味があり、「ワ」はもともと「イワ（神聖な山）」を指していたとされ、これらが組み合わさって「ポロ・イワ（大きな神聖な山）」となり、さらに「ホロワ」と変化したとされています。地域においては、保呂羽山は他の山々と比較して目立った存在であることが分かります。例えば、札幌にある藻岩山は「小さい山」という意味ですが、保呂羽山は明らかにその逆です。

開山が天平宝字元年（757年）とされることは重要な歴史的な意味を持ちます。この時期は、坂上田村麻呂による征夷が行われる約40年も前のことです。保呂羽山やその周辺地域は、古代からアイヌ族の文化が栄えていた土地であり、漢字が存在しない時代から信仰の対象にされていました。延喜式神名帳がまとめられた927年には、開山から約180年が経過しているため、この山の信仰の深さが伺えます。

現在、保呂羽山の山腹には国土交通省東北地方整備局秋田河川国道事務所が所有する無線中継所が設置されており、湯沢河川国道事務所や仁賀保無線中継所との間でマイクロ波やK-lambdaによる通信が行われています。また、地域のコミュニティFM放送もこの山に中継局を設け、地元の情報を発信しています。

アクセス

保呂羽山に訪れる際は、自動車を利用するのが便利です。秋田自動車道の大曲ICからは、国道105号および秋田県道30号神岡南外東由利線を経由して約20キロメートル、約25分でアクセスできます。また、横手北SICからも秋田県道29号横手大森大内線を経由して約45分の距離にあります。

保呂羽山は、その美しい自然環境と歴史的背景から、多くの人々に愛されています。訪れる際は、山の持つ神秘的な雰囲気に触れてみてはいかがでしょうか。

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