倉田栄一

倉田栄一：競艇界の「神様」

倉田栄一（くらた えいいち）は、1932年2月15日に三重県で生まれ、2013年2月26日に81歳で亡くなった元ボートレーサーです。1952年12月に児島でデビューして以来、その圧倒的な強さで競艇界を席巻し、数々の伝説を打ち立てました。

輝かしいキャリア

倉田は、1960年10月の尼崎8周年記念で完全優勝を飾ると、翌1961年には平和島で開催された第7回全国地区対抗でSGレースを初制覇しました。同年の第8回全日本選手権競走（住之江）も制覇し、その強さを確固たるものとしました。さらに、1963年の第9回モーターボート記念（下関）、1964年の第10回モーターボート記念（芦屋）で連覇を達成。この連覇は、2012年に瓜生正義が達成するまで48年間も破られることのなかった偉業です。その圧倒的な強さから、「競艇の神様」と呼ばれ、当時のスポーツ界では「野球の神様は川上哲治、相撲の神様は双葉山、そして競艇の神様は倉田栄一」とまで言われるほどでした。

技術への探求心

倉田は、常に技術向上を追求していました。波の中でプロペラが空回りしないようにとカップペラを考案した先駆者であり、夢の中でもモーター整備をしていたと言います。夢で見たことを忘れないように、いつも赤鉛筆を握って寝ていたというエピソードは、彼の競艇への情熱を物語っています。

苦難と不屈の精神

1964年頃から陰りが見え始めたものの、倉田は不屈の闘志で幾多の困難を乗り越えてきました。1970年の第17回全日本選手権競走（住之江）では、転覆事故により左足ふくらはぎをS字型に切断する重傷を負い、「再起不能」と診断されました。しかし、8度にわたる手術と懸命なリハビリを経てカムバック。1973年には下関モーターボート記念や住之江ダービーに出場し、再びクラシック戦線に復帰しました。44歳頃からは中年太りを防ぐために徹底した減量を行い、49kgから50kgの体重を維持しました。脱水症状を起こす風呂を避け、青山高原に登って足の訓練をするなど、体調管理にも余念がありませんでした。

記録と引退

1989年9月4日には、地元津で初の3000勝を達成し、最終的には3088勝まで勝利数を伸ばしました。この記録は、1995年に北原友次に抜かれるまで最多記録でした。記念優勝35回、GI優勝31回、通算勝率6.80という優れた成績を残し、1992年に三津川要とともに引退しました。

引退後の活動とレガシー

引退後も倉田は競艇界に貢献し、2004年からは地元の津で「倉田栄一杯争奪安濃津賞」が開催され、表彰式ではプレゼンターとして優勝者に優勝カップを渡しました。2007年には、その偉大な功績が認められ、ボートレース殿堂入りを果たしました。

倉田栄一は、その卓越した技術と不屈の精神で、競艇界に大きな足跡を残しました。彼の情熱と努力は、今もなお多くの人々に語り継がれています。

主な獲得タイトル

1961年：第7回全国地区対抗（平和島）
1961年：第8回全日本選手権競走（住之江）
1963年：第9回モーターボート記念・ランナー（下関競艇場）
1964年：第10回モーターボート記念・ハイドロ（芦屋）
その他、多数の記念競走優勝

関連情報

競艇選手一覧
* BOAT RACE オフィシャルWEB

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