傅亮

傅亮（ふ りょう）

傅亮（374年 - 426年）は、東晋から南朝宋にかけての政治家であり、字は季友、本貫は北地郡霊州県です。彼は傅咸（傅玄の子）の玄孫にあたります。

経歴

傅亮は傅瑗の子として生まれました。幼い頃から経書や史書を広く読み、文章や詩作に優れた才能を発揮しました。彼の政治家としてのキャリアは、建威参軍として始まったとされています。

桓謙の政権下では中軍行参軍を務めました。403年に桓玄が帝位を簒奪すると、傅亮はその博学と文才を認められ、秘書郎に抜擢されます。しかし、実際に着任する前に、劉裕らが桓玄に対して反旗を翻し、桓玄が敗北したため、傅亮は丹陽尹孟昶の下で建威参軍として仕えることとなりました。

405年、傅亮は員外散騎侍郎の位を受け、西省に宿直し、詔命の起草を担当するようになりました。その後、母の死去により一度職を辞し、喪に服しました。喪が明けると、劉毅の下で撫軍記室参軍となり、さらに領軍司馬に任じられました。411年には散騎侍郎となり、再び西省に宿直するようになります。西省宿直の任のまま、中書黄門侍郎に転じました。劉裕は傅亮を東陽郡太守に任じようとしましたが、傅亮は外任を望まず固辞しました。415年、太尉従事中郎となり、掌記室を務めました。

416年、劉裕の北伐に従軍し、418年に彭城に帰還しました。宋が建国されると、侍中に任じられ、世子中庶子を兼ねました。その後、中書令となり、劉裕に従って寿陽に入りました。420年、劉裕が禅譲の準備を始めると、傅亮は反対論を鎮めるために宣伝文章を書き、建国の理論面で大きく貢献しました。同年、劉裕が帝位につくと、傅亮は中書令のまま太子詹事となり、建国を助けた功績により、建城県公に封じられました。彼は中書省に宿直し、引き続き詔命の起草を担当しました。

422年1月、中書令と太子詹事を兼任したまま、尚書僕射に昇進しました。同年5月、劉裕が崩御の床につくと、傅亮は徐羨之や謝晦らと共に、劉義符（後の少帝）を補佐するよう遺命を受けました。6月には中書監・尚書令に任じられました。424年、護軍将軍を兼任しました。同年7月、傅亮は徐羨之や謝晦らと共に、少帝劉義符を廃位し、江陵から劉義隆（後の文帝）を迎えて即位させました。同年8月、散騎常侍・左光禄大夫・開府儀同三司の位を加えられました。

426年1月、文帝は傅亮を少帝殺害の罪で処断しようと計画しました。この計画を事前に知った傅亮は、病気を理由に宮城を出て、徐羨之に書状で異変を知らせ、兄の傅迪の墓まで逃れようとしました。しかし、屯騎校尉の郭泓に捕らえられ、廷尉に送られ、処刑されました。享年は53歳でした。彼の著作には『演慎論』があり、また詩賦には「感物賦」があって知られていました。

子女

傅演
傅悝
傅湛
傅都

伝記資料

『宋書』巻43 列伝第3
『南史』巻15 列伝第5

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