全羅南道 (日本統治時代)

全羅南道（チョルラナムド）とは

全羅南道は、日本統治時代の朝鮮半島に設けられた行政区画の一つです。現在の韓国の行政区分でいうと、全羅南道、済州特別自治道、そして光州広域市を合わせた地域に相当します。道庁所在地は光州に置かれていました。

概要

全羅南道は朝鮮半島の南西部に位置し、全羅道地方の南部を占めていました。その領域には、南方の海上に浮かぶ済州島も含まれていました。北側は全羅北道、東側は慶尚南道と隣接しており、地理的に重要な位置を占めていました。

人口

昭和11年（1936年）の現住戸口調査によると、全羅南道の総人口は2,416,341人でした。その内訳は、内地人（日本人）が44,154人、朝鮮人が2,370,853人、その他が1,334人となっています。この数字から、当時、朝鮮人が圧倒的な多数を占めていたことがわかります。

行政区分

昭和20年（1945年）当時の全羅南道の行政区分は以下の通りです。

府

光州府
木浦府

郡

光山郡
潭陽郡
谷城郡
求礼郡
光陽郡
麗水郡
順天郡
高興郡
宝城郡
和順郡
長興郡
康津郡
海南郡
霊岩郡
務安郡
羅州郡
咸平郡
霊光郡
長城郡
莞島郡
珍島郡

島

済州島

各郡には、さらに邑や面といった行政区分が設けられていました。詳細な地名は、上記のリストに記載の通りです。

歴代全羅南道知事

全羅南道には、日本の統治下で多くの知事が任命されました。1919年8月以前は「全羅南道長官」という名称でした。

司法

昭和16年（1941年）当時、全羅南道には以下の裁判所が設置されていました。

光州地方法院
光州地方法院順天支庁
光州地方法院木浦支庁
光州地方法院長興支庁
光州地方法院済州支庁

刑務所

同じく昭和16年（1941年）当時、以下の刑務所が存在しました。

光州刑務所
木浦刑務所

警察

昭和2年（1927年）には、全羅南道警察部が設置され、その下に多くの警察署がありました。

全羅南道警察部
光州警察署
木浦警察署
潭陽警察署
谷城警察署
求礼警察署
光陽警察署
麗水警察署
順天警察署
高興警察署
宝城警察署
和順警察署
長興警察署
康津警察署
海南警察署
霊岩警察署
羅州警察署
咸平警察署
霊光警察署
長城警察署
珍島警察署
済州警察署

憲兵部隊

大正4年（1915年）には、以下の憲兵部隊が配置されていました。

光州憲兵隊
長城憲兵分隊
栄山浦憲兵分隊
長興憲兵分隊
順天憲兵分隊
和順憲兵分隊

税務

昭和16年（1941年）当時、以下の税務署がありました。

光州税務署
木浦税務署
順天税務署

気象

昭和17年（1942年）には、以下の測候所が設置されていました。

済州測候所
木浦測候所
光州測候所

医療

昭和16年（1941年）には、小鹿島更生園という医療施設が存在していました。

高等教育機関

全羅南道には、光州医学専門学校という高等教育機関がありました。

鉄道

昭和20年（1945年）には、以下の鉄道が敷設されていました。

総督府鉄道
湖南線
全羅線
慶全線
光州線

道路

昭和2年（1927年）当時、以下の主要道路が整備されていました。

一等道路

京城木浦線
光州法聖浦線
羅州海南線
霊岩長興線
馬山左水営線

二等道路

全州麗水線
光州安養線
光州宝城線
光州順天線

港湾

昭和6年（1931年）には、以下の港湾が利用されていました。

開港

木浦港

地方港

法聖浦港
麗水港

山地港

城山浦港
西帰浦港
桂馬里港
右水営港
於蘭鎮港
莞島港
豊南港
筏橋港
金寧港
朝天港
翰林港
表善港

鉱山

全羅南道には、光陽鉱山があり、金・銀・銅が採掘されていました。

神社

以下のような神社が建立されていました。

光州神社
松島神社
順天神社
羅州神社
東山神社
栄山浦神社
小鹿島神社
麗水神社
松汀神社
潭陽神社

主要企業

昭和15年（1940年）当時、道内に本社を持つ資本金50万円以上の企業は以下の通りです。

農林水産業

鉱業

鶏林鉱業
順天産業

製造業

朝鮮棉花
全南道是製糸
全南棉花
本田繰棉工場
朝鮮寒天海藻
朝鮮重工業
朝鮮レーヨン

運輸業

晃陽汽船
全南日之出自動車

卸売小売業

樋口商店
全南産業
朝鮮薄荷

不動産業

金谷商会
三光土地

マスメディア

ラジオ放送局

昭和20年（1945年）8月当時、以下のラジオ放送局がありました。

朝鮮放送協会光州放送局（呼出符号：JBHK）
朝鮮放送協会木浦放送局（呼出符号：JBNK）

日本語新聞

昭和16年（1941年）当時、以下の日本語新聞が発行されていました。

木浦新報
光州日報

出身有名人

この時代に生まれ育つか、または活躍した人物として、以下のような人々がいます。

宋鎮禹（独立運動家）
金大中（大韓民国第15代大統領）
梁石日（作家）
[衛藤征士郎]
* 朴智元（政治家・元大統領秘書室長、文化観光部長官）

まとめ

全羅南道は、日本統治時代において、政治、経済、文化の中心地の一つでした。本稿では、当時の詳細な情報を網羅的に記述しました。この情報が、全羅南道の歴史を理解する一助となれば幸いです。

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