八島

「八島（やしま）」または「八洲（やしま）」は、日本の古くからの呼称であり、雅称の一つです。また、「はちとう」と読む場合もあります。この言葉は、日本神話において特別な意味を持ちます。神話では「八」が聖数とされており、漠然と数が多いことを示す際にも用いられました。このため、「八島」は「多くの島々からなる国」という意味合いを持ちます。「しま」には単に島の意味だけでなく、縄張りを指す意味も含まれています。

地名

神話上の地名

八島国・八洲国: 『古事記』では「夜斯麻久爾（やしまぐに）」と記され、淡路島、伊豫之二名島、隠岐の三子島、筑紫島、伊岐島、対馬、佐渡島、大倭豊秋津島など、「八つの島」の総称として用いられました。
大八島・大八洲: 『日本書紀』や『続日本紀』では「大八島国（おおやしまぐに）」と記され、淡路洲、大日本豊秋津洲、伊豫二名洲、筑紫洲、億岐洲、佐渡洲、越洲、大洲、吉備子洲を指します。

島名

八島 (島根県): 島根県松江市に位置する島です。
八島 (山口県): 山口県熊毛郡上関町にある、防予諸島の一部をなす島です。
八島 (大分県): 大分県佐伯市に所在する島です。

河川名・湖沼名

八島川: 複数の場所に同名の川が存在します。
八島ヶ原湿原: 長野県に位置する湿原で、自然豊かな場所です。

町字名

八島町: 複数の場所に同名の町が存在します。
玉島八島: 岡山県倉敷市に所在する地名です。
八島 (上関町): 山口県熊毛郡上関町に所在する地名です。
八島 (糸島市): 福岡県糸島市に所在する地名です。
八島 (熊本市): 熊本県熊本市西区に所在する地名です。

人物

八島氏: 日本語の姓の一つであり、清和源氏満政流の美濃源氏など、複数のルーツが存在します。
八島牟遅能神（やしまむじのかみ）: 『古事記』に登場する神で、鳥取神の親として記述されています。
八島士奴美神（やしまじぬみのかみ）: 静岡県の八島手神社に祀られている祭神です。

その他の事物

八島陵: 奈良県に位置する陵墓です。
八島塚古墳: 大阪市にある古墳です。
八島神社 (鹿児島県): 鹿児島県肝属郡南大隅町に所在し、「八島神（やしまのかみ）」を祀っています。
八島神社 (長野県): 長野県上伊那郡辰野町に所在し、「はちとう」とも呼ばれています。
八島神社 (奈良県): 奈良県北葛城郡広陵町に所在します。
八島手神社: 静岡県田方郡函南町にあり、八島士奴美神を祀っています。
八島大明神（栃木県）: 栃木県栃木市にあり、大神神社とも呼ばれ、豊城入彦命を祀っています。延喜式内社であり、松尾芭蕉も訪れたことで知られています。
八島神社 (秋田県): 秋田県にかほ市に位置し、豊岡姫命を祀っています。
八島 (能): 世阿弥作の能楽作品の一つです。
八島 (曲): 幸若舞の曲名として知られています。
八島日記: 『嬢景清八島日記』として人形浄瑠璃や歌舞伎の作品にもなっています。
八島 (戦艦): 日本海軍の戦艦で、富士型戦艦の2番艦としてイギリスで建造されました。

関連項目

八幡: 「八」の字を含む関連語です。
* 「八島」で始まるページの一覧、タイトルに「八島」を含むページの一覧も参照ください。

このように、「八島」は日本の歴史、地理、文化に深く根ざした言葉であり、多岐にわたる意味と用法を持っています。

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