八戸市の町・字

八戸市の町・字の変遷

本稿では、青森県八戸市における町・字の歴史的変遷について詳述する。八戸市は、1889年の町村制施行以降、周辺町村との合併、住居表示の実施、区画整理などを経て、現在の市域を形成してきた。本稿では、その変遷の過程を年代順に追い、八戸市の地域構造の変化を明らかにする。

町村制施行と初期の市域

1889年4月1日の町村制施行により、八戸町、小中野村、長者村など14の町村が成立。これらの町村は、それぞれが公称大字となり、現在の八戸市の基礎を築いた。

八戸町
小中野村
長者村
館村
湊村
鮫村
大館村
是川村
上長苗代村
下長苗代村
市川村
豊崎村
島守村
中沢村

明治末期から戦時中の変遷

1901年には八戸町と長者村が合併し、新たな八戸町が発足。1924年には湊村と小中野村が町制を施行。1929年には八戸町が市制を施行し、八戸市が誕生した。この際、小中野町、湊町、鮫村も八戸市に編入され、市域が拡大した。また、耕地整理に伴う境界変更も複数回実施されている。

戦後から昭和末期までの変遷

戦後、八戸市は周辺町村の編入を積極的に進めた。1954年には是川村、1955年には館村、上長苗代村、市川村、豊崎村、1958年には大館村を編入し、市域を大幅に拡大。また、1957年以降は、公有水面埋立地の編入や区画整理による町の新設が活発に行われた。1970年代には、城下・沼館地区、根城地区、江陽地区、類家地区などで住居表示が実施され、町名・町界が大きく変更された。1980年代にも、新湊地区や吹上・長者地区、下長地区などで住居表示が実施され、市街地の整備が進められた。

平成期以降の変遷

平成期に入ると、湊高台地区、岬台地区、類家南地区、北インター工業団地地区、長根・売市・根城地区、八戸新都市地区などで住居表示が実施され、新たな町が誕生した。2005年には南郷村が八戸市に編入され、再び市域が拡大。桔梗野工業団地地区、八太郎地区、日計地区などでも住居表示が実施された。近年では、売市第二地区や田向地区で住居表示が実施されている。

このように、八戸市の町・字は、時代の変化とともに、周辺町村との合併、住居表示の実施、区画整理などによって、その姿を変えてきた。これらの変遷は、八戸市の歴史と発展を物語るものであり、今後の八戸市を理解する上で重要な要素となるだろう。

参考資料

八戸市史編纂委員会 編『八戸市史地誌編』八戸市、2012年3月31日。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 2 青森県』角川書店〈1版〉、1985年12月1日。ISBN 4040010205。
官報
青森県告示

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