八溝山

八溝山の概要

八溝山（やみぞさん）は、茨城県と福島県の県境に位置する標高1,021.8mの山で、茨城県の最高峰です。山頂は福島県棚倉町と茨城県大子町の境界にあり、栃木県境からもほど近い場所に位置しています。八溝[[山地]]の主峰であり、北麓には久慈川の源流があります。

八合目の南麓には、久慈川の支流である八溝川の源流、八溝川湧水群があり、この湧水群は、水戸光圀が命名したと伝えられる八溝五水（金性水、鉄水、龍毛水、白毛水、銀性水）として知られ、名水百選にも選ばれています。山には、ブナ、ダケカンバ、カエデ、ミズナラ、スギなどの樹木が自生しており、八溝山天然林として保護されています。

山頂には城を模した展望台があり、阿武隈高地、磐梯山、奥日光、那須連山などの山々を望むことができます。また、気象条件が良ければ、筑波山や富士[[山]]が見えることもあります。東京スカイツリーは肉眼では確認できませんが、撮影に成功した例もあります。

歴史

八溝山は古くから信仰の山としても知られています。山頂には豊作祈願の神である八溝嶺神社が、八合目には坂東三十三箇所の二十一番札所である日輪寺があります。八溝山の名前は、八つの谷に分かれた山容から、空海（弘法大師）が命名したと伝えられています。また、日輪寺の名前も、空海がこの地で邪鬼を退散させたという伝説に由来すると言われています。

元治元年には、天狗党の乱において、水戸天狗党の別働隊が追討軍に追い詰められ、山頂の八溝嶺神社に立て籠もる事件がありました。しかし、食料不足などから隊は解散し、隊員たちは下山後に捕縛され、ほとんどが処刑されました。

交通

八溝山へは、登山道を利用するほか、舗装された林道（八溝林道、八溝山線林道）や茨城県道248号八溝山公園線を利用して山頂付近まで自動車でアクセスすることも可能です。公共交通機関を利用する場合は、JR水郡線常陸大子駅から茨城交通バスに乗り、蛇穴バス停で下車後、徒歩約3時間で山頂に到着します。県道248号は2014年3月に開通しました。

林道は道幅が狭く、急なカーブや勾配が連続するため、運転には注意が必要です。八溝林道と茨城県道248号は、奥久慈里山ヒルクライムルートの一部にもなっており、上級者向けのコースとして知られています。八合目の旧参道入口付近と、山頂近くの八溝林道と八溝山線林道の交差点には、駐車場とトイレが整備されています。

放送送信設備

八溝山の栃木県側にあたる大田原市南方には、難視聴対策を目的としたデジタル新局（那須高原中継局）が設置されています。この中継局は、大田原市、那須塩原市、那須町の一部地域を放送エリアとしており、2013年3月27日に開局しました。

周辺情報

八溝山の周辺には、福島県道377号八溝山線、茨城県道248号八溝山公園線、茨城県道・栃木県道28号大子那須線などが通っています。また、日本三名瀑の一つである袋田の滝も近くに位置しています。

周辺地域では、ワサビ、お茶、鮎などの特産品が生産されています。また、800年頃には金の産出があったという記録も残っています。

関連情報

うつくしま百名山
各都道府県の最高峰（茨城県）

外部リンク

八溝山 - 茨城県による解説
八溝山展望台 - 大子町による解説

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