公安部隊 (コスタリカ)

コスタリカ公安部隊：常備軍なき国の守護者

コスタリカ公安部隊（Fuerza Pública）は、国の法執行機関として、警察活動に加え準軍事的な任務も担っています。コスタリカは憲法で常備軍を禁止しており、公安部隊は「国の自主性を守る」という重要な役割を付与されています。

概要

公安部隊は公安省の管理下で、警邏や警備など通常の警察活動における集団警備力を担う組織です。1994年から1996年にかけて、治安警備隊、地方支援警備隊、外勤警察、国境警備隊といった既存の組織を統合・再編して設立されました。常備軍が存在しないコスタリカにおいて、公安部隊は「国の自主性を守る」「公安・秩序を守る」「住民の安全を守る」という3つの重要な役割を担っています。

公安現役部隊担当副大臣の指揮下に置かれ、警務局、特殊部隊局、法務支援局、地域局、行旅保安局、防犯企画局といった内部部局が設置されています。また、地方支分部局として11の州部局、その下に93の警察署が配置されています。総勢12,600名の人員を擁し、国際戦略研究所（IISS）の分析では、そのうち約9,000名が準軍事的要員とされています。これらの準軍事的要員は、国内の治安維持、麻薬戦争対策、犯罪対策だけでなく、地域の平和維持活動にも派遣されています。

特殊部隊

特殊部隊局には、警察介入部隊（UIP）と特殊支援部隊（UEA）が設置されています。また、大統領府には特殊介入部隊（UEI）、司法捜査局（OIJ）には戦術対応部隊（SERT）がそれぞれ設置されています。これらの特殊部隊は、アメリカ合衆国など海外からの軍事訓練を受けています。しかし、アメリカ軍特殊部隊からの訓練については、コスタリカ国内でも批判の声があります。また、アメリカ陸軍米州学校にも警察官が派遣されており、2007年までに約2,600名が派遣されました。ただし、同校の卒業生には人権侵害などの問題が多く指摘されており、コスタリカ政府は同年をもって派遣を打ち切る決定をしました。

装備

複数の組織を統合して編成された経緯から、公安部隊の小火器は非常に多種多様です。常備軍廃止直後には、アメリカ合衆国からM1911A1拳銃、スミス&ウェッソン.38口径拳銃、M3サブマシンガン、M1カービン、M1小銃、ブローニングM1919重機関銃が供与されました。その後も、H&K MP5、M16A1、65式歩槍、IMI ガリル、FN FAL、スプリングフィールドM14、ドラグノフ狙撃銃、M203 グレネードランチャー、M60機関銃など、様々なルートを通じて調達されています。重火器としては、少数の60mmおよび81mm迫撃砲を保有しています。かつてはサンディニスタによる航空攻撃に対処するため20mm対空砲も保有していましたが、2017年現在では退役しています。また、M3装甲車、M113装甲兵員輸送車、UR-416装甲兵員輸送車も保有していましたが、30年以上にわたり活動実態は確認されていません。

登場作品

* コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアII - 公安部隊出身のオペレーターが登場します。

コスタリカ公安部隊は、軍隊を持たない国の治安と平和を維持するため、多岐にわたる任務と装備を抱え、日々活動を続けています。

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