内藤頼直

内藤頼直（ないとう よりなお）

内藤頼直は、江戸時代末期に信濃国高遠藩の第8代、そして最後の藩主を務めた人物です。高遠藩内藤家13代当主にあたります。

生涯

1840年（天保11年）、第7代藩主・内藤頼寧の七男として生まれました。兄である頼愛が早世したため、世子となり、1859年（安政6年）に父の隠居により家督を相続しました。翌1860年（万延元年）には、藩校である進徳館を開設し、藩士の教育に力を入れました。

1861年（文久元年）には、皇女和宮が降嫁する際の費用負担を務めました。1862年（文久2年）の生麦事件では、幕府の命令により、不測の事態に備えて藩兵を動員しています。また、天狗党の乱では、藩の重臣たちが無難に事態を収拾しました。幕府による長州征伐にも参加しています。

1868年（慶応4年）の戊辰戦争では、新政府軍に味方し、その戦功により2000両の賞典金を授与されました。高遠藩の兵は、北越戦争や会津戦争にも出陣し、西園寺公望を助けるなど、各地で活躍しました。1869年（明治2年）の版籍奉還により、高遠藩知事に任命され、1870年（明治3年）には新たな藩の制度を定めました。しかし、1871年（明治4年）7月14日の廃藩置県により免官となり、その後の1879年（明治12年）に亡くなりました。

系譜

父母
父：内藤頼寧（第7代高遠藩主）

正室
安：宇都宮藩主・戸田忠温の娘

子女
長男：内藤弥三郎（子爵）
次男：内藤頼輔（子爵、岳父は高崎藩主・大河内輝声）
三男：内藤頼博（岳父は侯爵・西郷従徳）
四男：内藤頼武（岳父は男爵・大森佳一）
長女：要子（子爵・堤経長（堤雄長の長男）の妻）
次女：和子（男爵・明石元長（明石元二郎の長男）の妻）

まとめ

内藤頼直は、幕末の激動期に高遠藩の舵取りを担い、藩校の設立や戊辰戦争での活躍など、多くの功績を残しました。廃藩置県により藩主としての役割を終えましたが、その生涯は、時代の変遷を象徴するものであったと言えるでしょう。

参考資料

阿部猛; 西村圭子 編『戦国人名事典』（コンパクト）新人物往来社、1990年9月。ISBN 4-404-01752-9。
長谷川正次『高遠藩』現代書館〈シリーズ藩物語〉、2005年11月。ISBN 4-7684-7103-X。

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