大森佳一

大森佳一について

大森佳一（おおもり かいち）は、1883年（明治16年）8月2日に生まれ、1945年（昭和20年）3月25日に没した日本の政治家であり、内務官僚でした。男爵の爵位を持ち、貴族院議員、官選県知事などを歴任しました。位階は従三位、勲等は勲三等でした。

生い立ちと学歴

大森佳一は、静岡県に本籍を置き、東京府で生まれました。男爵・大森鍾一の長男として生まれ、学習院高等科を経て、1909年（明治42年）に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業しました。

内務官僚としてのキャリア

大学卒業後、大森佳一は内務省に入省し、千葉県属としてキャリアをスタートさせました。1911年（明治44年）11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、その能力を認められました。その後、群馬県属、滋賀県理事官、滋賀県警察部長、栃木県警察部長、岩手県内務部長、山形県内務部長、茨城県書記官・内務部長、群馬県書記官・内務部長など、地方行政の要職を歴任しました。

1927年（昭和2年）には、父の死去に伴い男爵を襲爵し、華族としての地位も継承しました。

県知事、貴族院議員として

1928年（昭和3年）1月、大森佳一は群馬県知事に就任し、1929年（昭和4年）9月までその職を務めました。その後、島根県知事に発令され、1931年（昭和6年）8月まで務め、退官しました。同年9月19日には、貴族院男爵議員補欠選挙で選出され、公正会に所属し、その死まで議員を務めました。

その他、岡田内閣の内務政務次官、恩給金庫評議員、地方分与税委員会委員など、政府や関連機関においても重要な役割を果たしました。

死去

大森佳一は63歳で亡くなり、墓所は吉祥寺にあります。戒名は春德院殿直雅道光大居士です。

親族

長男は大森俊一で、電気工学者として知られています。

まとめ

大森佳一は、内務官僚として地方行政に深く関わり、県知事や貴族院議員としても活躍した人物です。彼のキャリアは、明治から昭和にかけての日本の政治と行政の変遷を反映しており、地方自治の発展に貢献しました。

参考資料

『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』1990年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 上巻』霞会館、1996年。
* 秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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