戸田忠温

戸田忠温（とだ ただはる）

戸田忠温は、江戸時代後期の大名であり、寺社奉行、老中を歴任しました。下野宇都宮藩の藩主で、宇都宮藩戸田家10代当主にあたります。

生涯

先々代藩主である戸田忠翰の五男として宇都宮城で生まれました。生母は鹿沼の町家の娘です。文政6年（1823年）2月に兄・忠延の養子となり、同年4月に家督を相続しました。

天保4年（1833年）に奏者番に任命され、天保11年（1840年）2月には寺社奉行を兼務しました。弘化2年（1845年）からは老中となり、最初の正室の甥にあたる阿部正弘と共に、外交問題の処理や海防に関する意見書の提出、砲台の改築、諸大名への防備強化などを命じました。

幕府の要職を歴任したことで、幕府の要路に資金を費やしたため、藩財政が悪化しました。家老の戸田七兵衛が諫言しましたが、聞き入れられませんでした。江戸藩邸にはオランダ人や琉球人を招き、藩財政の窮乏をよそに賑わっていたと伝えられています。年下の義理の甥である阿部に老中就任で先を越されたことを快く思わず、忠温の供頭が恐ろしい形相で睨みつけていたという逸話も残っています。

嘉永4年（1851年）に死去し、享年48歳でした。家督は三男の忠明が継ぎました。

経歴

1804年（享和4年）：誕生（2月5日に文化に改元）
1823年（文政6年）：兄・戸田忠延の死去に伴い、家督を相続
1833年（天保4年）：奏者番に任命
1840年（天保11年）：寺社奉行を兼務
1843年（天保14年）：老中に就任
1851年（嘉永4年）：死去

系譜

実父: 戸田忠翰
養父: 戸田忠延
正室:
純 - 阿部正精の娘
継室:
於美 - 水野忠邦の養女、石川総佐の娘
子女:
戸田忠明（三男）
戸田忠文（四男）
戸田忠恕（六男）
富子 - 有馬道純正室
釭 - 水野忠幹の継室、水野忠精の養女
安 - 内藤頼直正室
敬子 - 有馬道純継室
操 - 秋元礼朝正室
淑子 - 戸田忠友正室、戸田忠至の養女
恵美栄 - 大関増昭正室
小笠原某室

参考文献

* 坂本俊夫『宇都宮藩・高徳藩』現代書館〈シリーズ藩物語〉、2011年9月。

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