内談衆

内談衆についての詳細

内談衆（ないだんしゅう）は、室町幕府における重要な構成員で、引付方や内談方の中で業務の審議を担当していました。この内談衆は、鎌倉幕府の引付衆の後継として位置づけられ、時代の流れとともに変遷を遂げていきました。

内談の起源

室町幕府では、内談（ないだん）という会議がさまざまな部局で開催されていましたが、これは主に足利直義によって再編され、具体的には所領問題に特化した専門機関として内談方が設置される運びとなります。このことにより、内談方の構成員が内談衆と呼ばれるようになりました。さらに、直義の失脚の後も引付方が復活し、内談衆の組織は引き継がれました。この頃、仁政方や庭中方も新たに設置され、再審や指揮監督が行われていました。

構成と運営

内談衆は地域ごとに3の内談方または5の引付方に分かれ、足利氏一門や守護大名の代表である頭人のもとに約10から20名が任命されていました。このメンバーの多くは、鎌倉幕府の評定衆や奉行人の末裔であり、室町幕府の評定衆や奉行人の職務も兼ねていることが多かったのです。

内談衆は通常、月に6回程度頭人の邸宅で内談を開き、管領や政所が受理した訴訟に関して話し合いを行いました。具体的には、鎌倉府支配地域や九州を除く所領に関する年貢や用水に関する訴訟などが該当します。会議では、最古参の奉行人や次官が案件を説明し、くじ引きの順番に従って意見を述べ、最終的な結論を文書化して将軍の決裁を得るという流れで進みました。

形骸化と再登場

しかし、14世紀後半になると、将軍は評定衆や内談衆による審議よりも、自身が主宰する御前沙汰という形式で問題を処理するようになりました。この結果、内談衆が果たしていた役割は次第に形骸化し、15世紀前半には引付方ははっきりとした実質を失ってしまいました。

足利義晴の時代に入ると、内談衆は幕政に再び登場しますが、これは引付方の復活ではなく、義晴を支えるための新たな側近グループ、いわゆる「殿中申次」を組織して彼らに新しい格式や待遇を与える目的でした。この内談衆は、御前沙汰においても重要な役割を果たし、将軍に対して意見を進言することや、奉行衆と将軍の間の仲介を行いました。ただし、天文14年（1545年）を境にその活動が見られなくなり、翌年には足利義晴が将軍職を辞することとなりました。このことから、義晴期独自の動きであったと考える見方が強いのです。

結論

このように、内談衆は室町幕府の歴史の中で重要な役割を果たしましたが、時代の変化に伴いその機能が変わっていく様子が見受けられます。特に、鎌倉幕府から受け継いだフレームや業務の運営形態は、室町期における政治の特性を反映しているといえるでしょう。

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