門司城

門司城（もじじょう）

門司城は、福岡県北九州市門司区に位置する古城山（標高175m）の山頂に築かれた日本の城です。関門海峡を一望できる戦略的な要衝であり、その歴史は数々の戦乱の舞台となりました。

概要

門司城は、関門海峡を眼下に収める古城山の山頂に築かれた山城で、本丸跡には砲台の土台が今も残っています。現在は和布刈公園として整備され、市民の憩いの場となっています。

沿革

平安時代から南北朝時代

『豊前志』によれば、1185年（元暦2年）に平知盛が家臣の紀井通資に命じて築城されたと伝えられています。1255年（建長7年）には、藤原親房が豊前代官職として入城し、門司氏を名乗るようになりました。南北朝時代には、門司一族が北朝と南朝に分かれて争うなど、分裂の歴史も刻んでいます。

戦国時代

戦国時代に入ると、門司城は戦略上の重要性から、幾度となく攻防戦が繰り広げられました。1430年（永享2年）には、秋月春種と原田信朝が大内氏を攻めて門司城を攻略。その後は大内氏の城として存続しましたが、1551年（天文19年）の大寧寺の変を機に、厳島の戦い、防長経略を経て、毛利氏と大友氏の領土争いの舞台となります。最終的に、毛利氏と大友氏の不可侵条約によって豊前国は大友領となり、門司城は大友氏の城となりました。

しかし、毛利氏は1558年（永禄元年）に小早川隆景を大将として門司城を攻撃し、城を奪取。仁保隆慰を城代として配置しました。1561年（永禄4年）には、大友義鎮（宗麟）率いる数万の軍勢が門司城を攻めましたが（門司城の戦い）、毛利氏はこれを撃退。この敗戦をきっかけに、大友義鎮は将軍足利義輝を仲介役とした和睦交渉を進め、1564年（永禄7年）に毛利氏との間で和睦が成立。門司城は引き続き毛利氏の勢力下に置かれることとなりました。

江戸時代

1600年（慶長5年）に細川忠興が豊前国に入ると、門司城を修築し、長岡勘解由を城代に任命しました。しかし、1617年（元和3年）に廃城となり、その歴史に幕を閉じました。

近代

1892年（明治25年）には、大日本帝国海軍の下関要塞が築かれたため、城の遺構はほぼ破壊されましたが、現在でも一部の石垣が残っており、往時の面影を偲ぶことができます。

現在

現在、門司城跡は和布刈公園として整備されており、関門海峡の雄大な景色を望むことができます。歴史を感じながら散策できるスポットとして、多くの人々に親しまれています。

参考文献
角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典（40.福岡県）』、角川書店、1988年

関連項目
豊前国の城
小倉城
花尾城
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