出雲弟山

出雲弟山について

出雲弟山（いずも の おとやま）は、奈良時代に活躍した出雲国の豪族であり、その家系は出雲国造の出雲果安または出雲広嶋に由来しています。弟山はその生涯の詳細が不明な点が多いものの、彼が地域社会に与えた影響やその官歴は重要な歴史的資料として記録されています。

経歴と活動

彼の経歴は、天平5年（733年）に『出雲国風土記』の中に「飯石郡少領外従八位上出雲臣」として署名が残されていることから始まります。この文書によれば、弟山は出雲国の意宇郡山代郷に厳堂を築いたとされています。このような活動から、彼が地域の発展に寄与していたことが伺えます。また、同じ年の9月には『出雲国計会帳』でも署名が見られることから、彼の名声が広まっていた可能性があります。

天平18年（746年）には、外従七位下から外従六位下へ昇進し、その際には出雲国造としての役職を得て、意宇郡大領も兼ねることとなったと考えられています。これは出雲弟山が地域の指導者としての地位を実質的に確立する重要な転機だったといえるでしょう。

また、天平勝宝2年（750年）には、孝謙天皇に向けて出雲国造神賀詞を奏上し、外正六位上に昇叙され、外従五位下の位も授けられました。さらに、彼は祝部も兼任し、絁や綿といった貴重な物資を賜るなど、天皇からの厚遇を受けていました。翌年の天平勝宝3年（751年）にも再度神賀事を奏上し、更なる進位と贈り物を受けることとなります。これらの出来事から、弟山は非凡な人物であり、多くの信任を得ていたことが示されています。

官歴

出雲弟山の官歴は以下の通りです。特に、記載のないものについては『続日本紀』からの情報をもとにしています。

• - 天平5年（733年）2月：飯石郡少領外従八位上としての初見
• - 不詳：外従七位下に昇進
• - 天平18年（746年）3月7日：外従六位下、出雲国造、及び意宇郡大領を兼任
• - 不詳：外正六位上に昇進
• - 天平勝宝2年（750年）2月4日：外従五位下に叙せられ絁・綿を賜る
• - 天平勝宝3年（751年）2月22日：進位と賜物を受ける

家族と系譜

出雲弟山の家族についても詳細は不明ですが、父は出雲果安または出雲広嶋とされ、母の名前は不詳です。彼には二人の息子が伝えられており、その名は出雲国上と出雲国成です。これらの子供たちにも出雲弟山の影響が色濃く残っていたと推測されます。

出雲弟山の業績や地位は、奈良時代の出雲地域社会における重要な要素であり、彼の名は歴史の中に永続的に刻まれています。弟山が築いた厳堂や代表的な職位は、その功績を後世に伝えるものとして評価され続けることでしょう。

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