利原郡

利原郡（リウォンぐん）

利原郡は、朝鮮民主主義人民共和国の咸鏡南道に位置し、豊かな自然環境と歴史的な背景を持つ地域です。大韓民国の朝鮮語では「イウォン」と発音されるこの郡は、大きくは日本海に接し、周囲は山々に囲まれています。郡内には南大川が流れ、その流域には小規模な平野が広がっています。特に、大徳山は1442メートルの高さを誇り、北青郡との境界に位置しています。

地理的特徴

利原郡は東に日本海を望み、北には磨雲嶺を越えて端川市と接し、西には徳城郡、南には北青郡があります。周囲が山に囲まれているため、独特な自然景観が形成されています。南大川はこの地域で重要な水源となっており、生活や農業に貢献しています。

行政区画

郡内には1つの邑、3つの労働者区、そして21の里が設置されています。これにより地域の行政機能が効果的に運営されています。

歴史

古くからこの地域は南沃沮や高句麗の支配下にあり、後には新羅の真興王により統治されることとなります。磨雲嶺碑を立てられたこともあり、この地域は歴史的な重要性を持っていました。その後、渤海や女真に所属し、高麗の時代に元の支配を受けるまで、その統治が続きました。

1356年には高麗によって端川に組み込まれ、さらに朝鮮王朝の世宗の時代に利城県として設置されました。18世紀末に王の姓に関連する名称を避けるため利原県と改称され、その後1895年には利原郡に改められました。1914年の行政区画改変により現在の郡の範囲がほぼ確定し、1945年には3面78里の構成にまで成長します。

1952年には再編が行われ、22里からなる現在の利原郡が形成されました。

年表

• - 1914年4月1日 - 郡面併合により、咸鏡南道利原郡が成立（3面）
• - 1930年 - 西面が利原邑に昇格する（1邑2面）
• - 1941年4月1日 - 南面の一部が分立し、遮湖邑が発足する（2邑2面）
• - 1945年 - 利原邑が西面に降格し、東面が利原面に改名する（4面）
• - 1952年12月 - 郡面里の統廃合により利原郡が設置される。

産業と経済

郡の南部、遮湖労働者区には利原鉱山があり、日本有数の赤鉄鉱鉱山として知られています。ここでは鉱業と製鉄業が盛んに行われており、地域の経済の基盤を支えています。

交通

利原郡内には平羅線と利原線に基づく鉄道網があります。これにより、郡から周囲の都市や地域へのアクセスが容易になっています。主要な鉄道駅には利原駅があり、交通の要所となっています。

利原郡は、その豊かな自然と歴史的な背景、さらには経済活動においても重要な役割を担う地域です。

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