劉豹 (匈奴)

劉豹（りゅう ひょう、生年不詳 - 279年）は、中国の後漢末期から西晋時代にかけて活躍した南匈奴の左賢王です。彼は、南匈奴の単于を輩出した屠各種攣鞮部の出身で、於夫羅の子を称していました。また、一説には、蔡文姫と一時的に婚姻関係にあったとも伝えられています。

呼延氏との間には、劉延年、劉淵（後の漢（前趙）の光文帝）、劉盛、劉欽といった子をもうけました。匈奴出身者が漢化した後に劉姓を名乗るようになったのは、劉豹が最初であるとされています。これは、前漢代の冒頓単于以来、匈奴と漢の皇室との間に姻戚関係があったことに由来します。

生涯

南匈奴で反乱が起こった際、父である於夫羅が漢に留まることになりました。196年に於夫羅が漢の地で死去すると、叔父である呼廚泉（於夫羅の弟）が単于の位を継ぎ、劉豹は左賢王（または右賢王）となりました。その後、曹操によって五部に分割された匈奴の左部を統括する役割を担いました。

父が亡くなる前年の195年、董卓の残党である李傕と郭汜による反乱が発生した際、蔡文姫が拉致されたとされています。この時、劉豹が蔡文姫を拉致した人物であるという説があります。207年に曹操によって身代金が支払われ、蔡文姫が漢の地に引き取られるまでの間に、彼女との間に2人の子供をもうけたとも言われていますが、その名前は伝わっていません。

嫡子とされる前趙の祖・劉淵は、生年が251年頃であるため、劉豹が実際に於夫羅の子であるとすれば、相当な長命であったことになります。劉淵の存在は、劉豹の生涯を語る上で欠かせない要素であり、彼の血筋が後の時代に大きな影響を与えたことを示しています。

劉豹は、南匈奴の歴史において重要な役割を果たした人物であり、その生涯は多くの謎に包まれています。彼の業績や人物像については、今後の研究によってさらに明らかになることが期待されます。

脚注

『晋書』 載記第一 劉元海

参考資料

『晋書』 載記第一 劉元海

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