勝原駅

勝原駅：九頭竜川の桃源郷に佇む歴史ある駅

[福井県]]大野市西勝原に位置する勝原駅は、西日本旅客鉄道]越美北線(九頭竜線)の駅です。[[1960年の越美北線開通時には越前花堂駅から当駅間が延伸され、終着駅として開業しました。その後、1972年に九頭竜湖駅まで延伸されたことにより、途中駅となりましたが、その歴史は今も駅舎や周辺の風景に刻まれています。

春爛漫の桃源郷

勝原駅は、線路沿いに広がるハナモモの群生地としても知られています。春になると、白やピンクのハナモモの花が咲き誇り、まるで桃源郷のような美しい景観を創出します。この美しい風景は、地元住民による植樹活動の賜物であり、地域ぐるみで大切に守られています。訪れる人々に春の息吹と、穏やかな感動を与えてくれる、隠れた名所となっています。

歴史を刻む駅舎と周辺施設

無人駅である現在も、かつての終着駅であった頃の面影を色濃く残す駅舎は、その歴史を感じさせます。また、保線員詰所などの施設も当時のまま残っており、訪れる人々に往時の雰囲気を伝えています。さらに、かつて構内に設置されていたSL用転車台跡地は、現在は五箇公民館として利用されています。この再利用は、地域の活性化に貢献しており、歴史と現代が調和した景観を作り出しています。

交通の要所としての役割

勝原駅は、九頭竜川や九頭竜峡へのアクセス拠点としての役割も担っています。雄大な自然を満喫したい観光客にとって、便利なアクセスを提供しています。また、国道158号や中部縦貫自動車道勝原ICにも近く、車でのアクセスも容易です。周辺には荒島岳や鳩ヶ湯といった観光地もあり、自然豊かな環境の中で、様々なアクティビティを楽しむことができます。

駅の構造と歴史

勝原駅は、九頭竜湖方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する地上駅です。保守用側線(旧・機回線)も敷かれており、かつての終着駅としての機能の一部が、現在も維持されていると言えるでしょう。駅には自動券売機などの設備はありませんが、簡素ながらも、利用客に温かみを感じさせる駅となっています。

幾多の出来事を経て

歴史を振り返ると、1965年には貨物取扱を開始、1968年には廃止。1987年には国鉄分割民営化によりJR西日本の駅となりました。2004年には豪雨による越美北線全線運休の影響を受けましたが、その後運行が再開されています。これらの出来事は、勝原駅の変遷、そして地域の歩みを示す重要な出来事と言えます。

参考文献

川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日
安田就視・松本典久『DJ鉄ぶらブックス021 昭和の終着駅 北陸・信越編』交通新聞社、2017年6月7日

勝原駅は、歴史と自然が調和した魅力的な駅です。訪れる際には、その歴史と美しい風景に思いを馳せてみてください。

もう一度検索