勝部太

勝部太（かつべ ふとる、1949年 - ）は、長崎市出身の声楽家、音楽教育者です。福岡教育大学英語科を卒業後、東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程声楽専攻を修了しました。1976年には日本音楽コンクール声楽部門で第1位を受賞し、その才能を広く知らしめました。

オペラ歌手としてのキャリアは、1977年に二期会で《蝶々夫人》のシャープレス役でデビューしたことから始まりました。その後、《ドン・ジョヴァンニ》のタイトルロールを演じるなど、数々の主要な役を演じました。1979年には文化庁派遣芸術家在外研修員としてミュンヘンに留学し、研鑽を積みました。

帰国後は、モンテヴェルディの《オルフェオ》タイトルロールをはじめ、《フィガロの結婚》の伯爵、《ファルスタッフ》のフォード、《タンホイザー》のヴォルフラム、《ワルキューレ》のヴォータン、《カルメン》のエスカミーリョなど、バロックから現代まで幅広い時代のオペラで活躍しました。また、コンサート歌手としても、「第九」を始め、マーラーやツェムリンスキーなどの作品で優れた歌唱を披露しました。近年は、シューベルトの歌曲集《冬の旅》やロシア・ロマンスに情熱を注いでいます。

勝部太は、後進の育成にも力を入れてきました。1982年から東京藝術大学音楽学部声楽科で非常勤講師を務め、2012年に准教授、2013年に教授に就任し、34年間にわたって多くの学生を指導しました。また、東邦音楽大学や群馬大学でも教鞭を執り、多くの音楽家を育てました。

受賞歴として、1979年と1991年にジロー・オペラ賞、1991年に第1回出光音楽賞を受賞しています。

演奏活動としては、小澤征爾指揮の新日本フィル公演「アッシジの聖フランシスコ」（日本初演）でフランシスコ役、若杉弘指揮のN響公演「ペレアスとメリザンド」や「光太夫」（フセイノフ・世界初演）などに出演しています。また、ベートーヴェン、レーヴェ、シューベルト、シューマン、ブラームス、ヴォルフなどの歌曲によるリサイタルを、日生劇場、水戸芸術館、上毛ホールなどで頻繁に行っています。

勝部太は、二期会会員として、オペラ公演やコンサート活動に積極的に参加しています。特に歌をこよなく愛し、その情熱的な歌声は多くの聴衆を魅了しています。

【年譜】
福岡教育大学英語科卒業。
東京芸術大学大学院声楽科修了。
オペラ研修所第1期修了。
1976年：労音主催公演「カルメン」のエスカミーリョでデビュー。
1979年10月：文化庁派遣芸術家在外研修員として、ミュンヘン（ドイツ）に留学。
1991年：第1回出光音楽賞受賞。
1997年5月：オペラ三枝成彰「忠臣蔵」に出演。
1998年：長野オリンピック記念オペラ「善光寺物語」タイトルロール出演。
1999年：仙台オペラ支倉常長「遠い帆」タイトルロール出演。

【人物】
中山悌一に師事。
演奏会形式で、小澤征爾指揮新日フィル公演「アッシジの聖フランシスコ」（日本初演）のフランシスコ、若杉弘指揮N響公演「ペレアスとメリザンド」「光太夫」（フセイノフ・世界初演）等に出演。
これまでにベートーヴェン、レーヴェ、シューベルト、シューマン、ブラームス、ヴォルフ等の歌曲によるリサイタルを日生劇場、水戸芸術館、上毛ホール等で度々行っている。
二期会会員。
歌をこよなく愛している。

【活動実績】
二期会・新国立劇場『忠臣蔵』

【担当講義】
声楽
* 合唱

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