勝願寺 (古河市)

勝願寺について

勝願寺（しょうがんじ）は、茨城県古河市に位置する真宗大谷派の寺院で、鷲高山順性院の号を持ちます。本尊に阿弥陀如来を祀り、関東七大寺の一つとして知られています。また、磯部勝願寺と表記されることもあります。

歴史

創建から南北朝期

勝願寺の開基に関しては様々な説が存在します。井上善性による創建とも信じられており、建暦年間（1211-1214年）には、親鸞の教えを受けた明性によるものともされます。また、善性の子であり親鸞の弟子でもあった善親により、宝治2年（1248年）には信濃国水内郡藤ノ木村で設立されたとも伝えられています。井上氏は、信濃源氏の流れを受け継いでおり、信濃国を拠点にした豪族で、親鸞と出会い信仰を深めたと考えられています。

貞治6年（1367年）頃には、寺基を下総国猿島郡から信濃国更級郡の篠井に移転したとされています。この時から、信濃国や越後国で浄土真宗の教えが広まり、西久保勝善寺や普願寺などと共に「磯部6か寺」と呼ばれる寺院群が形成されました。

室町から戦国期

この寺は浄土真宗の本山である本願寺との関係も深く、当寺の第12世住職・慶順は第8代・蓮如と親交がありました。また、第13世住職の善祐は蓮如より本尊を授かっています。戦国期に入ると、古河公方とも良好な関係を築き、寺は繁栄しました。大永3年（1523年）には、足利高基から寺に禁制が下され、寺が軍勢の乱暴を阻止するよう願い出ていたことが伺われます。また、永禄2年（1559年）には、古河公方の家臣から寄進があり、永禄9年（1566年）には本寺が物資の流通を担う役割も果たしていました。

この時期、寺院は地域の一向宗徒との重要な結びつきを持っており、北陸一向一揆や越後一向一揆などの際にはその関与が見られます。元亀元年（1570年）から天正8年（1580年）にかけての本願寺勢力と織田信長との戦闘においても、勝願寺とその関連寺院が支援を行っていました。

安土桃山期以降

石山合戦の講和後、慶長7年（1602年）に浄土真宗は東本願寺派と西本願寺派に分裂しました。勝願寺も初めは西本願寺に属しましたが、元和9年（1623年）までに東本願寺に改宗しました。江戸時代には、浄土真宗の関東七大寺の一つとして名を馳せ、江戸幕府から朱印地を与えられるなど、その地位も高まりました。寺内には中世の関連文書や、蓮如筆による阿弥陀如来の画像など、貴重な文化財が数多く残っています。

文化財

勝願寺には、古河市指定の文化財も所蔵されており、中世関連の御絵像や文書が確認されています。

交通アクセス

JR東日本宇都宮線の古河駅からは徒歩で約50分の距離に位置しています。

このように勝願寺は、宗教的・歴史的に重要な意義を持つ寺院であり、訪れる価値のある場所です。

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