勧修寺尹豊

勧修寺尹豊

勧修寺尹豊（かじゅうじ ただとよ）は、室町時代後期から安土桃山時代にかけて生きた公卿です。堂上家である勧修寺家の第12代当主として、激動の時代を駆け抜けました。

生涯

文亀3年（1503年）に、権大納言・勧修寺尚顕の子として誕生しました。母は石清水八幡宮検校・澄清の娘です。尹豊は、室町幕府第10代将軍・足利義尹（のちの義稙）から偏諱を受けたとされています。

公家としてのキャリアは、天文元年（1532年）の参議任官から始まりました。その後、中納言、権大納言と順調に昇進を重ね、天文21年（1552年）には従一位に叙せられます。同年には一度官職を辞しますが、元亀3年（1572年）には准大臣、そして内大臣に任命されました（ただし、内大臣は数日で辞任）。

同年2月3日には出家し、法名を紹可と名乗りました。文禄3年2月1日（1594年3月22日）に92歳で亡くなりました。

人物

尹豊は、武家伝奏として、多くの武家と交流がありました。彼の日記である『尹豊公記』は、当時の政治や社会情勢を知る上で貴重な資料であり、『歴代残闕日記』に影印本が収録されています。

勧修寺家

勧修寺家は、藤原北家高藤流甘露寺支流にあたる名家です。代々、朝廷において重要な役割を果たしてきました。勧修寺尹豊もその伝統を受け継ぎ、激動の時代において朝廷を支える役割を担いました。

系譜

父：勧修寺尚顕
母：石清水八幡宮検校澄清の娘
妻：伊勢貞遠の娘
男子：勧修寺晴秀（1523-1577）
子女：結城忠正室、畠山家継室

参考文献

『歴代残闕日記』

関連項目

畿内・近国の戦国時代
名家

勧修寺尹豊は、室町時代後期から安土桃山時代にかけての激動期において、公家社会を支えた重要な人物の一人です。彼の残した日記は、当時の社会情勢を知る上で貴重な資料となっています。

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