勧修寺経理

勧修寺経理（かしゅうじ つねおさ）

勧修寺経理は、幕末に活躍した公家の一人です。勧修寺家は代々続く名家であり、彼はその一員として歴史の波に翻弄されながらも、重要な役割を果たしました。

生涯

勧修寺経理は、勧修寺経則の三男として生まれました。しかし、実父である経則が従兄弟の勧修寺顕彰に家督を譲った後に生まれたため、複雑な事情を抱えることになります。顕彰の後継者を巡り、経則と顕彰、そして勧修寺家の家臣たちの間で対立が生じました。その結果、経理の兄である経治と、顕彰の子である経度は、ともに穂波家へ養子に出されることとなりました。経治は穂波家を継ぎ、経度を養子とすることで、経理が勧修寺家の後継者となることが決定しました。

天保10年（1839年）4月8日、経理は従五位下に叙せられました。これは彼にとって、公家としてのキャリアの第一歩となりました。

廷臣八十八卿列参事件と禁門の変

経理は、養父である顕彰や穂波経度とともに、廷臣八十八卿列参事件に参加しました。この事件は、公家たちが朝廷の政治改革を求めて行動したもので、幕末の政局に大きな影響を与えました。

文久3年（1863年）には右少弁に、元治元年（1864年）には蔵人に任じられました。しかし、勧修寺家が毛利氏の執奏家であったことが災いし、禁門の変後に官職を奪われ、蟄居を命じられることとなりました。これは、彼にとって大きな挫折となりました。

明治維新後

慶応4年（1868年）1月に赦免され、同年閏4月には従四位下・右中弁に任じられました。明治維新後、彼は再び公家として活躍の場を与えられ、その才能を発揮しました。

系譜

父：勧修寺経則
母：不詳
養父：勧修寺顕彰（1815-1861）
妻：不詳
長男：勧修寺顕允（1855-1900）

参考文献

日本歴史学会編『明治維新人名辞典』吉川弘文館、1981年。ISBN 978-4-642-03114-1
宮崎十三八他編『幕末維新人名辞典』新人物往来社、1994年。ISBN 978-4-404-02063-5
西村慎太郎『近世朝廷社会と地下官人』吉川弘文館、2008年。ISBN 978-4-642-03433-3

関連項目

名家
廷臣八十八卿列参事件

勧修寺経理は、幕末という激動の時代を生き抜いた公家の一人として、その名を知られています。彼の生涯は、日本の歴史における重要な一幕を物語っています。

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