北オホーツク道立自然公園

北オホーツク道立自然公園

北オホーツク道立自然公園（きたオホーツクどうりつしぜんこうえん）は、北海道宗谷郡猿払村、枝幸郡浜頓別町、枝幸町に位置する広大な自然公園です。

概要

この公園は、浅茅野台地や頓別平野に点在する海跡湖沼とその周辺、そしてオホーツク海に突き出した岬の断崖や岩礁地帯によって特徴づけられます。海跡湖沼であるカムイト沼、モケウニ沼、瓢箪沼、クッチャロ湖の周囲には広大な湿原が発達し、その背後には森林が広がっています。特にクッチャロ湖は、国内でも有数のコハクチョウの渡りの中継地として知られ、その重要性から「ラムサール条約」登録湿地に指定されているほか、「浜頓別クッチャロ湖」として国の「鳥獣保護区」にも指定されています。

自然環境

公園内の自然環境は多様性に富んでいます。

森林：カムイト沼周辺ではアカエゾマツ、トドマツ、カンバ類などの混合林が見られ、瓢箪沼周辺ではアカエゾマツが湿原内に独特の森林景観を形成しています。クッチャロ湖周辺にはハンノキを主体とした広葉樹林が広がっています。
湿原と平坦地：海跡湖沼周辺やベニヤ海岸一帯は比較的起伏が少なく、北方地域らしい水平線が強調された風景を生み出しています。特に湿原には様々な植物が生育し、その景観は季節ごとに変化します。
海岸植生と原生花園：ベニヤ海岸には、ハマナスやノハナショウブ、エゾカンゾウ（ゼンテイカ）、エゾスカシユリといった色鮮やかな植物が生育し、美しいベニヤ原生花園を織りなしています。また、このベニヤ原生花園には、国内の低地では珍しいポドゾル土壌が分布している点でも学術的に注目されています。
岬と断崖：北見山地の北への延長上にある北見神威岬は、オホーツク海沿岸部では数少ない壮大な断崖地形を形成しており、トドマツなどの樹木が生育しています。一方、ウスタイベ岬には平坦な岩礁地帯が広がっており、ウスタイベ千畳岩とも呼ばれる特徴的な景観が見られます。

これらの地域は、水平的な広がりを見せる湿原や原生花園と、オホーツク海に面したダイナミックな断崖や岩礁という対照的な地形が共存し、北国の厳しくも豊かな自然を感じさせます。

主な景勝地

公園内には、自然の美しさを堪能できるいくつかの景勝地があります。

カムイト沼
モケウニ沼
クッチャロ湖
ベニヤ原生花園
北見神威岬
ウスタイベ岬（ウスタイベ千畳岩）

これらの地点では、湖沼、湿原、海岸植物、断崖、岩礁といった公園を代表する景観を間近に見ることができます。

関連施設

公園の利用や自然観察をサポートする施設として、浜頓別町にあるクッチャロ湖畔には「浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館」があり、野鳥観察や湖周辺の自然について学ぶことができます。

北オホーツク道立自然公園は、多様な地形とそこに育まれる豊かな植生、そして多くの野鳥が集まる海跡湖沼群が一体となった、北海道北部の自然を体感できる貴重なエリアです。

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