北見中継局

北見中継局について

北見中継局は、北海道北見市大正の緑ヶ丘に位置するテレビとFMラジオの中継局です。ここでは、かつて存在したコミュニティFM放送「FMオホーツク」の送信所やAMラジオについても触れ、北見市内の他の地域にある中継局（北見若葉中継局、常呂中継局、留辺蘂中継局、北見仁頃中継局）については、それぞれの項目で解説します。

概要

オホーツク総合振興局は網走市にありますが、北見市が最大の都市です。NHK北見放送局は北見市に所在し、過去には自局制作も行っていました。HBC北見放送局も局舎を構えていましたが、番組制作は旭川放送局に移管され、現在はFMオホーツクのあったビルに移転し、取材・送信業務を行っています。STV北見放送局もわずかながら自局制作を続けていますが、親局となる送信所はいずれも網走市の天都山にあります。

北見市内でも親局からの電波を受信できますが、距離が離れているため電波が弱くなることがあります。この問題を解決するために北見中継局が設置されました。

NHK北見放送局は、アナログテレビ・FMラジオ・AMラジオについては、網走市の親局を「北見送信所」としており、中継局名を「新北見中継局」としています。しかし、この記事では便宜上「北見中継局」として記述します。地上デジタル放送の中継局については、民放に合わせて「北見中継局」と称していますが、FMラジオ・AMラジオは「新北見中継局」のままです。

2007年 10月1日の地上デジタル放送の道内エリア拡大、および2011年11月11日のテレビ北海道（TVh）中継局設置の際には、上記の事情を考慮し、網走親局と同時に開局しました。ただし、FM NORTH WAVE（NORTHWAVE）は中継局を設置していません。TVhはアナログ放送を行わないことが決定していましたが、デジタル新局として2011年11月11日に開局し、2007年 10月1日から運用されている在札民放4局共同使用の中継局施設を利用しています。

放送送信施設

地上デジタルテレビジョン放送

TVhを除く各局は、2007年 7月26日に予備免許が交付され、NHK北見では8月13日から、TVhを除く在札民放では8月28日から試験放送を開始し、9月26日に本免許が交付され、10月1日から本放送を開始しました。

TVhは、網走送信所と共に、2011年6月1日に予備免許が交付され、10月28日に試験放送を開始し、11月11日に本免許が交付され、同日から本放送を開始しました。

放送エリアは、北見市（旧常呂郡常呂町域を除く）と常呂郡訓子府町の一部地域です。

地上アナログテレビジョン放送

未開局だったTVhを除く各局は、2011年7月24日に停波および廃局となりました。

FMラジオ 放送

FMオホーツクは2022年 2月11日をもって放送を終了しました。スタジオ・送信所は北見市幸町のフヂサワビルに設置されていました（HBC北見放送局もこのビルの中にあります）。他のFM放送と同じ緑ヶ丘から送信するにはSTLが必要となるため、見送られました。なお、常呂町地区には中継局は設置されませんでした。

NORTH WAVEは、周波数が未割当のため中継局が未設置です。高性能アンテナ・高感度受信機の使用で札幌送信所（82.5MHz）を受信できることがありますが、FMオホーツクが混信することもありました。radikoを利用すれば放送を聴くことができます。FM補完中継局も未設置ですが、NORTH WAVEと同様に札幌局が受信できる場合があります（近隣の放送局による混信の影響はありません）。

AMラジオ 放送

NHK北見第2は周波数の割り当てがなされていないため、中継局は設置されていません。近隣の送信所は網走市呼人にある網走ラジオ放送所です。

備考

テレビ・FM中継局の所在地は、北見市大正707番地の緑ヶ丘です。AMラジオ中継局の所在地はNHKが北見市北進町5丁目、HBCが北見市高栄東町4丁目、STVが北見市緑ヶ丘2丁目です（いずれもテレビ局とは異なる場所）。

偏波面は、アナログVHFテレビ局とFMラジオ局が「垂直偏波」、UHFテレビ局が「水平偏波」です。

HBCアナログテレビ局は、当初はVHF11ch・垂直偏波で送信していましたが、混信により1990年春までにUHF53chに切り替えました。同時に設置場所も新築移転しました（完成は1989年末。以降1990年春までVHF11ch・UHF53chのサイマル放送を行いました）。

NHK北見放送局はアナログ・デジタルテレビ、FMおよびAIR-G'の送信施設が設備されています。AIR-G'は鉄塔がNHK北見放送局と共用で、局舎は単独です。

HBCはアナログ・デジタルテレビ、STV・HTB・UHB、2011年11月11日開局のTVhのデジタルテレビの送信施設が設備されています。局舎はアナログとデジタルで別々に作られていますが、デジタル局舎はSTV・HTB・UHBと相乗りで、アナログ局舎の前に設置されています。2011年11月11日開局のTVhはどちらを使用しているか不明です。

鉄塔はアナログ・民放5局デジタル共用ですが、上部にHBCアナログ、下部に民放5局のデジタルが設置されています。

STVはアナログ単独の送信設備が設備されていました。

HTBはアナログ単独の送信設備がUHBと共同で設備されていました。

HTBのロゴはアナログ中継局が1968年開局時のものを、デジタル中継局が2006年より現在使用中のものとなっていますが、ダイナミックスクエアの部分は省略されています。

UHBのロゴはアナログ中継局が1972年開局時の「UHB」、デジタル中継局が1983年10月より使用している現在の「uhb」となっています。

TVhについては、2011年11月11日に開局しました。先に2007年 10月1日に開局した在札民放4局が共同使用しているデジタル中継局内に設置されています（局舎は在札民放4局が共同使用しているデジタル中継局内、または同局舎の後ろにあり、2011年7月24日に運用を終えた旧HBCアナログ中継局内のどちらかです）。

そのため、STV単独およびHTB・UHB共同設置のアナログ中継局は2011年7月24日の停波をもって運用を終えました。

未開局

放送対象地域内にありながら、未開局となっていた放送局は以下のとおりです。

TVhテレビ北海道北見テレビジョン中継放送局
アナログ：57ch 映像出力500W・音声出力125W（チャンネルは割り当てられたが開局せず）
FM NORTH WAVE（NORTH WAVE）北見超短波中継放送局（FMラジオ放送の中継局の周波数は開局申請がなされた時点で選定）

放送エリア

この中継局は網走送信所が受信しにくい地域向けに設置されたもので、原則として北見市中心部・北見市端野地区の全域と北見市留辺蘂地区・訓子府町の一部地域が対象です。北見市内には北見若葉中継局、旧常呂町地区の常呂中継局、旧留辺蘂町地区の留辺蘂中継局も設置されています。2012年度には新たに北見仁頃中継局がデジタル難視聴対策の中継局として設置される予定です。2012年度にはこれらの4中継局も北見中継局と同様にTVhが見られるよう整備されました。

FMラジオは上記の地域に加え、置戸町、美幌町、大空町女満別（FMオホーツクは網走市、大空町東藻琴中南部を含む）の一部地域でも受信可能です（テレビ放送も受信できますが、美幌町と大空町は網走送信所で充分カバーできます）。ただし、FMオホーツクはNHK-FM・AIR-G'の中継局がある緑ヶ丘とはエリアが異なり、電界強度の強い地域は北見市の約83%の世帯と訓子府町の一部にとどまります。AIR-G'網走局（83.1MHz）を受信できる地域では混信する場合もあります。

その他

アナログテレビジョン放送については、音声多重放送は実施されていませんでした（NHK北見放送局は実施）。字幕放送・アナログデータ放送は利用できましたが、特殊な機器がないと楽しめませんでした。

デジタルテレビジョン放送では、データ放送・字幕放送のほか、民放アナログでは実現できなかった音声多重放送も楽しめるようになりました。

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