北野建設 (長野県)

北野建設株式会社

北野建設株式会社は、長野県長野市に本社を置く、長野県を代表する大手建設会社（ゼネコン）です。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、その歴史は1887年にまで遡ります。

沿革

創業は1887年、現社長である北野貴裕氏の曽祖父、北野民蔵氏が始めた製糸業に端を発します。その後、生糸の価格暴落を機に、祖父の北野吉登氏の代で製材業へと転換。第二次世界大戦後、焼け野原となった東京で、父の北野次登氏が長野の木材を活用した建築業を始めました。高度経済成長の波に乗り、業績は順調に拡大。1973年には株式上場を果たしました。

北野次登氏は、建設業だけでなく、ホテル経営や企業メセナにも熱心に取り組み、長野放送の社長や学校法人北野学園の理事長なども歴任。経営者としてもその名を広く知られました。

主な出来事は以下の通りです。

1946年8月：北野建築工業株式会社を設立。
1948年7月：現社名である北野建設株式会社へ変更。
1964年：ニューヨーク万国博覧会の日本館を手掛ける。この際、マンハッタン滞在中に次登氏がニューヨークでのホテル経営を構想。日本初のアパートメントホテル「北野アームス」を平河町に開業。
1967年：北野美術館オープン。
1971年：長野東急エージェンシー（現・アサヒエージェンシー）開業。スキー部設立。
1973年9月：東京証券取引所2部上場。ロックフェラー氏よりニューヨーク市パーク・アベニューの「Murray Hotel」を購入。5500万ドルを投じて改装し、ホテル「ザ・キタノ」を開業。
1980年：川中嶋カントリークラブ（川中嶋土地開発）開業。
1981年6月：東京証券取引所1部上場。
1989年11月：ソロモン諸島に「ソロモン・キタノ・メンダナ・ホテル」開業。
1994年：北野文芸座オープン。
1998年：ベトナムに「ホテル・ニッコー・ハノイ」開業。
2007年：現会長兼社長の北野貴裕氏が就任。北野グループが建設業とホテル・美術館業の2つに分裂。
2016年：株式会社キタノプロパティ設立。
2018年：ベトナムの「ホテル・ニッコー・ハノイ」を廃業。
2019年：北野財団設立。

歴代社長

北野吉登：1946年 - 1963年（1946-1948年は北野建築工業社長）
北野次登：1963年 - 2007年
山口竹彦：2007年
北野貴裕：2007年 - 現在

スキー部

北野建設スキー部は、オリンピック選手を多数輩出する、国内有数の名門実業団チームとして知られています。

主な所属選手

渡部暁斗（ノルディック複合）
渡部善斗（ノルディック複合）
丸山希（スキージャンプ）

過去に所属していた選手

小野学（スキージャンプ、1998年長野オリンピック日本代表監督）
荻原健司（ノルディック複合、1992年、1994年オリンピック金メダリスト。2010年からスキー部部長）
荻原次晴（ノルディック複合）
金井理恵子（スキージャンプ）
山田大起（スキージャンプ）
上村愛子（モーグル）
伊藤みき（モーグル）
竹内択（スキージャンプ）
作山憲斗（スキージャンプ）
岩渕香里（スキージャンプ）

社長交代騒動と北野グループ分裂

2007年、株主総会後の取締役会で、北野次登社長の長女の夫である山口竹彦氏が新社長に就任しましたが、わずか1ヶ月後に辞任。その後、次登氏の長男である北野貴裕氏が社長に就任しました。

この一連の騒動は、株主総会での説明不足や、新社長を含めた取締役の一斉辞任など、異例の事態として注目されました。北野次登氏は、この解任劇の後、経営への復帰を目指しましたが、周囲の賛同を得られず断念。その後、北野グループは、北野貴裕氏が率いる「北野建設」と、次登氏と次女の小池佳子氏が率いる「北野アームス」などのホテル・美術館事業に分裂しました。

熊坂トンネル手抜き工事事件

2007年、上信越自動車道熊坂トンネル工事において、コンクリートの厚さ不足の手抜き工事が発覚。内部告発を行った下請け企業の現場監督が解雇されるという事件が発生しました。

主な施工実績

（具体的な施工実績は情報が不足しているため、割愛）

関連企業・団体

北野文芸座
北野美術館・北野カルチュラルセンター
長野放送
白鵬女子高等学校

関連項目

ゼネコン
日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟
内部告発

外部リンク

北野建設
* 北野建設スキー部

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