千代田 (空母)

【千代田】

千代田（ちよだ）は、日本海軍の水上機母艦として知られ、後に航空母艦へと改装されました。この艦は千歳型水上機母艦の二番艦として1940年に起工し、1942年には特殊潜航艇の母艦に改装されました。さらに1943年には航行能力を強化し、航空母艦としての役割を担うこととなります。これにより千代田は瑞鳳型航空母艦の一員として、その活動を続けました。

艦名の由来

「千代田」という艦名は、江戸城の美しい称号から由来しています。この名での艦は明治初期に建造された千代田形、次いで明治中期の巡洋艦「千代田」に続いての三代目にあたります。戦後は海上自衛隊により潜水艦救難母艦「ちよだ」として引き継がれるなど、長い歴史を持つ艦名です。

艦の特徴

千代田は1940年に甲標的母艦としての改装を受け、艦内の格納庫を改造し、甲標的と呼ばれる特殊潜航艇を搭載する能力を持つようになりました。この時点で、搭載可能な水上機の数は12機に減少しました。また、艦尾部には甲標的の発進用のスリップが設けられ、艦橋には指揮塔も備わりました。最終的には、1944年6月のあ号作戦後には25mm単装機銃を30丁装備し、また13号電探も設置され、様々な防備が施されました。

搭載機

水上機母艦

千代田は元々九五式水上偵察機を24機搭載する設計で、補用機を含めると28機の水上機を運用可能でしたが、実際には中国進出時に複数の九十四式水上偵察機も搭載し、約9機の機体を確認されています。1942年には零式水上偵察機も運用され、特定のマーキングを施した機体で作戦に従事しました。

航空母艦

航空母艦としての改装後、千代田は零式艦上戦闘機や九七式艦上攻撃機などを搭載することができました。具体的には、21機の零式艦戦と9機の九七艦攻を運用する計画でしたが、実際の戦闘ではレイテ沖海戦などに参加し、艦載機の運用を展開しました。これにより、艦の役割はより多様化したと言えます。

艦歴

千代田は1938年12月15日に水上機母艦として竣工し、特殊潜航艇母艦としても機能する設計がなされました。1942年6月、ミッドウェー海戦に向けて進出を試みましたが、その後、改装の必要性から1943年に空母に変更する決定が下されました。改装は同年12月に完了し、以後は第三航空戦隊に所属して護衛任務を行いました。1944年6月にはマリアナ沖海戦に参戦し、10月のレイテ沖海戦の際には、アメリカ海軍からの攻撃を受けて沈没。艦長を含む乗員全員が戦死する結果となりました。

関連艦

千代田型の同型艦には姉妹艦の千歳があり、また戦後の海上自衛隊にも「ちよだ」という名の艦が存在します。千代田という艦名は過去に多个の艦艇に引き継がれており、これらの艦船もまた日本の海軍史に名を刻んでいます。

現代においても、千代田の艦籍は多くの人々にとって記憶に新しく、海軍の歴史を学ぶうえで欠かせない存在です。

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