千畳敷 (和歌山県)

千畳敷

千畳敷は、和歌山県西牟婁郡白浜町の瀬戸崎から崎ノ湯にかけて広がる海食台です。この場所は、円月島や三段壁とともに国の名勝に指定されており、吉野熊野国立公園の一部としても保護されています。

地形

千畳敷は、新第三紀層の砂岩で形成された、太平洋に面したスロープ状の岩盤です。砂岩は非常に柔らかく、波の浸食によって複雑な地形が形成されています。その面積は約2ヘクタールに及び、三段壁や円月島と並び、白浜町を代表する景勝地として知られています。特に、ここから眺める夕日は格別で、広大な太平洋に沈む夕日の光景は、「日本の夕陽百選」にも選ばれるほどの美しさです。

通常は岩盤の上を自由に歩くことができますが、波浪注意報や警報が発令された際には、安全のため立ち入りが禁止されます。また、年間を通して風が強いことが多く、台風時にはその様子が中継されることもあります。

落書き被害

千畳敷の岩盤は柔らかい砂岩でできているため、硬貨などで簡単に削ることができてしまいます。そのため、残念ながら心無い人による落書きが後を絶ちません。白浜町では条例で「都市公園の損壊行為は10万円以下の罰金」と定めていますが、実際には適用が難しく、観光客のモラルに訴えかけるしか現状では有効な対策がないのが実情です。2003年には、機械を使って落書きを全て消去する計画も検討されましたが、費用が高額になるために見送られています。落書きは自然の風化によって少しずつ消えていきますが、書き込まれるペースがそれを上回っており、岩盤には今も無数の落書きが残されたままです。

交通アクセス

千畳敷へのアクセスは、以下の通りです。

JRきのくに線 白浜駅から明光バス「三段壁」行きに乗り、約21分で千畳口下車、そこから徒歩3分。
白浜エクスプレス大阪号も千畳口バス停に停車します（事前予約が必要です）。

周辺情報

千畳敷周辺には、以下の観光スポットがあります。

三段壁：徒歩約8分
白良浜：徒歩約22分
円月島

関連項目

南紀白浜温泉

外部リンク

千畳敷を写真で旅！する
円月島（高嶋）及び千畳敷 - 国指定文化財等データベース（文化庁）

もう一度検索