千葉県第3区 (中選挙区)

千葉県第3区とは

千葉県第3区は、かつて存在した衆議院の選挙区です。その区域は、旧上総国と安房国にほぼ該当し、現在の千葉市緑区の一部、千葉11区、千葉12区にあたります。

選挙区の特徴

この選挙区は、農家や漁家が多く、内房地域では君津製鉄所の建設などにより工業化も進みました。しかし、全体としては保守が非常に強い地域として知られていました。1947年の発足から1955年の保守合同までは、自由党と民主党、そして両党の後継政党が勢力を二分していました。

選挙の歴史

1958年の第28回衆議院議員総選挙で、日本社会党が初めて議席を獲得し、保守一色の状況に変化が見られました。その後約10年間は、自民党が4議席、社会党が1議席を分け合う状態が続きました。しかし、1969年の第32回衆議院議員総選挙では、自民党候補が全員当選し、社会党は議席を失いました。1972年の第33回衆議院議員総選挙では、自民党の現職引退により公認候補が減ったため、3年ぶりに社会党が1議席を奪還しました。

1976年の第34回衆議院議員総選挙では、公明党が初めて議席を獲得しました。さらに、選挙後に自民党候補が死去したため、次点だった社会党候補が繰り上げ当選し、55年体制下で初めて野党が2議席を占めることになりました。ただし、これはこの時のみでした。

1979年の第35回衆議院議員総選挙では、自民党公認候補に加え、保守系無所属の候補2名が当選し、10年ぶりに保守が議席を独占しました。無所属の2名は後に自民党に入党しました。1980年の第36回衆議院議員総選挙では、自民党の浜田幸一が議員辞職した影響で公認候補を4人に絞り、全員が当選しました。また、この選挙で公明党が議席を回復しました。1983年の第37回衆議院議員総選挙では、ラスベガス賭博事件で活動を自粛していた浜田が自民党公認を得てトップで返り咲きました。

1986年の第38回衆議院議員総選挙でも、自民党4議席、公明党1議席という議席配分は変わらず、1990年の第39回衆議院議員総選挙では、元社会党参議院議員の大木正吾がトップ当選し、社会党は約10年ぶりに議席を奪還しました。しかし、公明党は議席を失いました。中選挙区制最後の選挙となった1993年の第40回衆議院議員総選挙では、政権交代が叫ばれる中、日本新党などの新党は候補者を擁立せず、前回同様自民党4議席、社会党1議席となりました。

小選挙区制導入後は、その大部分が千葉11区と千葉12区に分割されました。保守地盤が強いため、森英介と浜田靖一がそれぞれ連戦連勝を重ねています。日本共産党や民社党などは、この選挙区で議席を獲得することはできませんでした。

選挙区の区域

選挙区の区域は、選挙の度に若干の変更がありました。第40回衆議院議員総選挙時点では、以下の自治体が含まれていました。

千葉市（旧土気町地域）
館山市
木更津市
茂原市
東金市
勝浦市
鴨川市
君津市
富津市
袖ケ浦市
長生郡
山武郡
夷隅郡
安房郡

1952年の公職選挙法改正時は、館山市、木更津市、茂原市、長生郡、山武郡、君津郡、夷隅郡、安房郡でした。

1950年の公職選挙法施行時は、館山市、木更津市、長生郡、山武郡、君津郡、夷隅郡、安房郡でした。

選出議員と選挙結果

選挙結果については、各回の解散日、投票日、有権者数、投票率などが記録されています。これらのデータから、各選挙の状況を詳細に把握することができます。

千葉県第3区は、その歴史の中で様々な政治的変動を経験しました。保守が強い地域でありながら、社会党や公明党が議席を獲得した時期もあり、多様な政治勢力がしのぎを削った選挙区でした。しかし、小選挙区制の導入により、その歴史に幕を閉じました。

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