千葉貨物ターミナル駅

千葉貨物ターミナル駅（ちばかもつターミナルえき）は、千葉県千葉市美浜区新港に位置していた貨物駅で、かつては日本貨物鉄道（JR貨物）と京葉臨海鉄道が共同で管理・運営していました。この駅は、京葉臨海鉄道の村田駅（現在の千葉貨物駅）へその機能が移管された後、2000年に廃止されました。

当駅の建設は、物流拠点としての機能を担うことを目的としており、その誘致を受けて周辺地域にはヤマト運輸、日本通運、佐川急便をはじめとする大小さまざまな運送会社が集まりました。これにより、千葉貨物ターミナル駅は地域物流の重要な結節点としての役割を担っていました。

歴史

この駅の歴史は、1975年 5月10日に国鉄京葉線の蘇我駅と当駅の間が開通したことに始まります。これと同時に京葉臨海鉄道の食品北線および食品南線も開業し、連携した貨物輸送体制が構築されました。

蘇我駅から当駅までの区間は、東京外環状線の一部として計画されており、将来的には京葉線やりんかい線を経由して、東京湾の対岸にある東京貨物ターミナル駅とを結ぶ構想がありました。しかし、この構想が実現することはありませんでした。

その後、1986年 3月3日には京葉線の西船橋駅と当駅の間が開通し、路線網が拡大しました。国鉄の分割民営化に伴い、1987年 4月1日には国鉄の駅はJR貨物の駅へと移行しました。

京葉臨海鉄道の食品北線および食品南線は、時代の変化と共にその役割を終え、1994年 1月20日に廃止されました。そして、当駅における貨物列車の設定は1996年 3月16日に終了。最終的に、駅そのものが2000年 4月1日に廃止されるに至りました。

駅構造

千葉貨物ターミナル駅は地上駅であり、2階建ての駅舎を備えていました。本線が高架線となる地点の東側、現在の千葉みなと駅方面には仕分線（操車場）が設けられており、ここから各貨物ホームへの路線が分岐していました。貨物ホームは、コンテナを取り扱うためのホームが1面2線、そして上屋付きの一般的な貨物ホームが1面2線配置されていました。

駅の施設は、千葉みなと駅方面だけでなく、東京方面（稲毛海岸駅方面）へも貨物列車が発着できるよう、構内施設（高架線など）が建設されていました。しかし、当駅以西での貨物列車の定期的な運行が廃止まで行われなかったため、これらの東京方面への施設は本来の機能を十分に発揮することはありませんでした（蘇我駅と西船橋駅間の貨物列車運行は、当駅の廃止後に開始されました）。

京葉臨海鉄道が管轄する線路は、JR貨物の仕分線の南側に敷設されていました。これらの線路は食品北線と食品南線で共用されており、JR貨物との間で貨車をやり取りするための授受線が2線、発送用の線路が1線、到着用の線路が1線、そして仕分線が2線整備されていました。

取扱貨物

廃止される直前の時点では、主に臨時車扱貨物が取り扱われていました。それ以前、1996年に貨物列車の設定が廃止されるまでは、鉄道コンテナ貨物や車扱貨物など、様々な種類の貨物を取り扱っていました。

駅周辺と跡地利用

駅周辺には、全国通運千葉営業所やマツダ流通センター、ミスターマックスなどの施設がありました。かつては日本通運の大型ターミナルや、大規模商業施設であるミハマニューポートリゾートなども立地していましたが、これらは閉鎖され、2022年6月時点では更地となっています。

駅の跡地は、廃止後に様々な形で再利用されています。貨物ホームがあった場所の一部はニップンの倉庫や、ショッピングセンター「ミハマニューポートリゾート」となりました（ただし、前述の通りミハマニューポートリゾートは閉鎖）。操車場があった場所は、ミスターマックスやちばシティバス本社・新港車庫などに利用されています。

駅の建物自体は撤去されましたが、廃止後も本線跡地を利用して、下り貨物列車の待避を目的とした新港信号場が設置されました。また、線路の分岐点付近には、当時のレールや一部の施設が今も残存しています。かつては、この跡地に旅客駅（仮称：幸町駅）を建設する計画もありましたが、実現には至りませんでした。

近年、駅跡地（ミハマニューポートリゾート跡地）においては、新たな開発が進められています。2024年 4月1日には、JR貨物と大和ハウス工業による共同事業として、大型マルチテナント型物流施設「DPL千葉レールゲート」の建設が始まりました。この施設は2025年9月の完成、そして入居開始が予定されており、跡地は再び物流拠点として活用されることになります。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）京葉線：稲毛海岸駅 - 千葉貨物ターミナル駅 - 千葉みなと駅

京葉臨海鉄道食品北線：千葉貨物ターミナル駅 - （貨）食品北駅

京葉臨海鉄道食品南線：千葉貨物ターミナル駅 - （貨）食品南駅

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