南宗寺

南宗寺の概要

南宗寺（なんしゅうじ）は、大阪府堺市堺区に所在する臨済宗大徳寺派の寺院で、山号は龍興山と称されています。この寺では釈迦如来を本尊としており、三好氏の菩提寺としても知られています。さらに、著名な茶人である武野紹鴎や千利休が修行を重ねた縁の寺でもあり、堺の町衆文化の発展にも寄与した重要な場所です。また、古田織部に作られたとされる枯山水庭園は、国の名勝に指定されています。

歴史

南宗寺は、1526年に古嶽宗亘によって設立された南宗庵を起源としており、彼の法嗣である伝庵宗器、さらには大林宗套が後を継ぎました。1557年には、三好長慶が非業の死を遂げた父、三好元長の菩提を弔うために宗套に開山を依頼し、新たに南宗寺が創建されました。設立当初は堺市の宿院町近くにあったとされ、落成したのは宗套の死後、二代目住持の笑嶺宗訢が活動した際です。この時期に現在の山号「龍興山」が名付けられ、1573年には足利義昭によって十刹の一つに指定されました。

南宗寺は、1574年に松永久秀の兵火で焼失し、また1615年には大坂夏の陣で織田方に焼かれましたが、1619年に住職の沢庵宗彭によって再興されました。再興後、現存する仏殿や山門などは17世紀半ばに整備されたものです。1945年の大阪大空襲でも一部を失ったものの、江戸時代の禅宗の雰囲気を今に残しています。

徳川家康との関わり

伝説として、徳川家康が大阪夏の陣で後藤又兵衛に襲われた際、その遺体が一時的に南宗寺で隠されたとされています。このエピソードは『南宗寺史』に記載されているものの、実際の歴史的事実とは異なります。家康はこの戦闘の最中に逃げ延びるも、既に息絶えていたとも言われ、墓所とされる場所には家康の記念碑が設置されています。

境内の見どころ

南宗寺の境内には、多くの重要文化財や名所があります。

• - 仏殿（1653年再建）は、禅宗様式の建築であり、大阪府下で唯一の仏殿建築とされています。
• - 庭園（国指定名勝）は、方丈の南側に広がり、古田織部作と伝承され、静かで美しい風景を提供しています。
• - 茶室「実相庵」や方丈（本堂）、客殿なども魅力的です。
• - 境内には、徳川家康の墓もあり、こちらは1967年に新たに建設されたものです。

アクセス

南宗寺へのアクセスは、阪堺電気軌道の御陵前停留場から徒歩5分や、南海バスの各系統が便利です。最後に、神社仏閣が連なるこの地は、歴史愛好者や文化を求める人々にとって絶好の訪問先となることでしょう。

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