原昌胤

原昌胤（はら まさたね）は、戦国時代の武将であり、甲斐武田氏の家臣として活躍しました。武田二十四将の一人に数えられています。

出自

原昌胤は、原昌俊の嫡男として生まれました。原氏は美濃土岐氏の庶流とされ、武田家臣団には足軽大将の原虎胤がいましたが、虎胤は千葉氏一族の原氏の出身であり、昌胤とは異なる系統です。

生涯

『甲陽軍鑑』によれば、天文19年（1550年）に家督を継ぎ、陣馬奉行として120騎を指揮したとされています。弘治2年（1556年）11月には、信濃侵攻における甲斐衆小池氏の下伊那出陣に関する証文にその名が見られ、信玄の側近として朱印状奏者を務めていたことが確認できます。永禄4年（1561年）の西上野侵攻では、跡部勝資、曽根虎長、土屋昌続らと共に上野国衆への取次を担当し、昌俊は一之宮貫前神社、高山氏、小幡氏、高田氏らの取次を務めました。永禄10年（1567年）の下之郷起請文においては、上野国衆からの起請文を担当しています。

駿河侵攻においては、永禄12年（1569年）7月に今川方の富士氏が籠城する大宮城が開城。昌胤は市川昌房と共に富士山本宮浅間大社や静岡浅間神社などの寺社支配を行い、大宮城周辺の支配にも関わっていたため、大宮城の城代を務めていた可能性も指摘されています。また、朝比奈信置や松井宗恒との取次も担当しました。

甲斐国内の郷村に対する諸役免許や軍役動員などの朱印状では、山県昌景と共にその名が見られ、争論の裁許状など訴訟関係文書にも名前が確認できます。

時期や経緯は不明ですが、一時期失脚し、元亀元年（1570年）以降から元亀3年（1572年）以前に北条家臣で臼井原氏麾下の完倉兵庫介が仲介し、赦免されたと伝えられています。天正3年（1575年）の長篠の戦いにおいて戦死しました。

人物評価

原昌胤は、武田信玄の側近として、外交、寺社支配、訴訟処理など、多岐にわたる分野で活躍しました。その功績は、武田氏の勢力拡大に大きく貢献したと言えるでしょう。

参考文献

丸島和洋『戦国大名武田氏の権力構造』思文閣出版、2011年。ISBN 978-4-7842-1553-9。 
平山優「原昌胤」『新編武田信玄のすべて』新人物往来社、2008年
丸島和洋「原昌胤の赦免」『武田氏研究』30号、2004年

関連作品

武田信玄（1988年、NHK大河ドラマ、演：岡村菁太郎）

関連項目

戦国時代の人物一覧
原氏

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