口羽元良

口羽元良は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将で、毛利氏の家臣として知られています。父は毛利氏の重臣である口羽春良であり、祖父は口羽通良という家系に生まれます。

生涯

元良は、天正15年（1587年）に父・春良から家督を譲り受けました。この時、石見国邑智郡都賀西に500貫、出雲国島根郡東郷に100貫、備中国川上郡手荘に700貫、備中国阿賀郡中津井に300貫、合計1600貫という広大な所領も相続し、同年8月29日に毛利輝元の承認を得ています。

慶長2年（1597年）から始まる慶長の役では、元良も朝鮮へ渡り、軍功を重ねました。特に、同年12月22日から慶長3年（1598年）1月4日にかけて行われた第一次蔚山城の戦いにおいて、その武勇が発揮されました。この功績により、豊臣秀吉から賞賛を受け、慶長3年（1598年）1月25日付の朱印状には、元良の名（口羽十郎兵衛）が記されています。また、同年1月29日には、輝元から蔚山城での籠城戦の苦労を労う書状が送られています。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦い後、毛利氏は防長（周防国・長門国）へ転封となります。元良もこれに従い、新たな地で輝元の後を継いだ秀就に仕えました。

正保2年（1645年）8月3日、元良は生涯を閉じました。嫡男である元延は、父に先立ち寛永3年（1626年）4月4日に亡くなっていたため、元延の嫡男、つまり元良の孫である就行が家督を継ぐこととなりました。また、元延の死から6日後の寛永3年（1626年）4月10日には、元良の弟である元智も死去し、元良の次男である元衡が元智の養子となって家督を継承しています。

参考文献

『萩藩閥閲録』巻32「口羽衛士」
三卿伝編纂所編、渡辺世祐監修『毛利輝元卿伝』（マツノ書店、1982年）
* 防長新聞社山口支社編 編『近世防長諸家系図綜覧』三坂圭治監修、防長新聞社、1966年3月

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