台湾鉄路管理局EMU1200型電車

EMU1200型電車は、台湾鉄路管理局（台鉄）が運行していた交流電車です。そのルーツは、南アフリカのUCW社が製造したEMU200型電車に遡ります。EMU200型は、当初、電動車1両、付随車・制御車2両の3両固定編成で運用されていました。

2002年、台鉄はEMU200型の大規模な改造に着手しました。その内容は、編成の中間となる制御車の乗務員室と運転機器を撤去し、9両固定編成へと組成変更するというものでした。さらに、前面の非貫通化、客用扉の自動化といった改造も同時に行われました。これらの改造は、台湾車輌（中国鋼鉄・唐栄鉄工廠（台湾）、日本車輌・住友商事（日本）による合弁企業）によって実施されました。2004年8月26日、これらの改造が完了し、現在のEMU1200型として新たなスタートを切りました。

外観も大きく変更されました。従来の塗装であった白地に赤とオレンジ色の縞模様から、白を基調とした大胆なデザインに変更され、この塗装から、台湾の鉄道ファンからは「紅斑馬（赤いシマウマ）」という愛称で親しまれるようになりました。

EMU1200型は、全車が高雄機務段潮州車両基地に集中配置され、西部幹線の基隆駅 - 屏東駅間（屏東線延伸電化後は潮州駅まで、屏東線電化延伸後は北行きのみ枋寮駅始発）で運用されていました。しかし、2016年10月20日のダイヤ改正によって北部から撤退し、彰化駅以南での運用となりました。

2022年3月29日のダイヤ改正で、定期列車としての運用を終え、同年3月28日が定期列車としてのラストランとなりました。しかし、引退後も団体臨時列車として活躍を続けています。また、2017年3月には、桃園機場捷運の開業に伴う空港利用客の取り込みを狙い、台北駅の連絡通路にこのEMU1200型を模したデザインの台鉄弁当販売店がオープンしました。


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