司馬彪

司馬彪（しば ひょう）

司馬彪（240年代 - 306年）は、西晋時代の皇族であり、字（あざな）は紹統（しょうとう）と称しました。彼は後漢の歴史を記した『続漢書』の著者として、その名を歴史に刻んでいます。

生涯

高陽王司馬睦（しば ぼく）の長男としてこの世に生を受けました。司馬睦は司馬懿（しば い）の弟である司馬進（しば しん）の子であったため、司馬彪は西晋の武帝司馬炎（しば えん）とは従兄弟の関係にありました。

若い頃から学問を好みましたが、その一方で好色で品行に問題があったため、父である司馬睦の後継者にはなれませんでした。司馬懿の弟、司馬敏（しば びん）の後を継ぐという名目で、事実上の廃嫡という形で家を出ることになりました。一説には、玄学を通じて反司馬氏的な思想を持つ清談派との関係を持っていたことが原因であるとも言われています。

その後、司馬彪は人との交流を避け、ひたすら学問に打ち込む生活を送りました。

最初に騎都尉（きとい）を拝命し、泰始（たいし）年間には秘書丞（ひしょのじょう）に任じられました。武帝司馬炎が南郊（なんこう）の祭祀を行う際、司馬彪が上奏してその内容を定めたと伝えられています。その後、散騎侍郎（さんきじろう）を拝命しました。恵帝（けいてい）の末年に、60歳余りでその生涯を閉じました。

著作

司馬彪は、『荘子』に注釈を施しました。この注釈書は現存していませんが、『経典釈文』荘子音義には多く引用されています。

彼の最大の業績は、後漢の光武帝（こうぶてい）から献帝（けんてい）までの時代を網羅した史書80篇を著し、『続漢書』と名付けたことです。この『続漢書』のうち、「志」の部分は、二十四史の一つである范曄（はんよう）の『後漢書』に欠けていた部分を補完するものとして、『後漢書』に合刻され、現在にまで伝えられています。

また、三国時代の蜀の学者である譙周（しょうしゅう）が司馬遷（しばせん）の『史記』の誤りを正すために著した『古史考』のうち122件について、『汲冢周書（きゅうちょうしゅうしょ）』などを用いて再批判を行い、世に広めました。その他、『九州春秋』を著しています。

参考文献

『晋書』巻37 司馬睦伝
『晋書』巻82 司馬彪伝

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