吉原駅

吉原駅（静岡県富士市）

吉原駅は、静岡県富士市鈴川本町に位置する、東海旅客鉄道（JR東海）、日本貨物鉄道（JR貨物）、そして岳南電車の駅です。JR東海道本線と岳南電車岳南鉄道線の2路線が乗り入れています。

概要

吉原駅は、かつて存在した吉原市の代表駅でした。1889年に開業した当初は「鈴川駅」という名称で、現在の吉原駅という名称は岳南鉄道の本吉原駅が使用していました。1956年に現在の駅名に改称されています。

開業当初は国鉄のみの駅でしたが、1949年からは岳南鉄道が乗り入れています。JRと岳南電車の駅舎は分かれていますが、線路は繋がっています。

沿線には製紙工場が多く、吉原駅は紙製品の鉄道輸送拠点として機能していましたが、2012年3月のダイヤ改正で貨物列車の発着がなくなりました。

歴史

吉原駅は、東海道本線の国府津～静岡間が開通した際に開業した、静岡県東部で最も古い駅の一つです。開業当初は鈴川駅と呼ばれ、井上靖の小説「しろばんば」にも登場します。

開業翌年には、駅と大宮町を結ぶ富士馬車鉄道が開業しました。その後、根方軌道となりましたが、1924年に廃止されています。1949年には、市街地へ向かう新たな鉄道路線として岳南鉄道が開業しました。

年表

1889年2月1日：官設鉄道の鈴川駅として開業
1890年6月26日：駅前に富士馬車鉄道が乗り入れ
1895年4月1日：東海道線の所属となる
1899年2月24日：沼津～鈴川間が複線化
1900年11月5日：鈴川～富士川合図所間が複線化
1909年10月12日：東海道本線と命名
1924年7月6日：根方軌道線が廃止
1939年6月：大昭和製紙鈴川工場専用線が運行開始
1949年2月1日：沼津～静岡間電化に伴い、駅構内を電化
1949年11月18日：岳南鉄道が乗り入れ
1956年4月10日：吉原駅に改称
1970年10月20日：2代目の駅舎に改築
1985年3月14日：荷物の取り扱いを廃止
1987年1月27日：みどりの窓口開設
1987年4月1日：国鉄分割民営化により、JR東海とJR貨物の駅となる
1994年4月1日：コンテナ貨物の取り扱いを開始
2008年3月1日：ICカード「TOICA」が利用可能になる
2009年3月：バリアフリー対応の多機能トイレと南口エレベーターを新設
2010年2月26日：北口とホームにエレベーターを新設
2012年3月17日：貨物列車発着の設定が終了
2025年6月1日：JR東海の駅が無人化予定

駅構造

JR東海

島式ホーム1面2線を有する地上駅で、橋上駅舎です。駅舎にはJR全線きっぷうりばや自動券売機が設置されています。駅員が配置されており、富士駅が管理しています。

ホームの外側には待避線があり、南北には複数の側線があります。側線の一部は、岳南電車が使用していた貨物列車着発線に繋がっています。

岳南電車

JR駅の北側に位置し、島式ホーム1面2線を持つ地上駅です。駅舎にはJRが設置した自動改札機があり、自社線の乗車券やオリジナルグッズなどを販売しています。岳南鉄道線内で唯一、自動券売機が設置されています。

貨物取扱・専用線

JR貨物の駅は、かつてコンテナ貨物や車扱貨物を扱っていましたが、2012年3月17日のダイヤ改正で貨物列車の発着が終了しました。現在は一部の高速貨物列車が時間調整で停車するのみです。

駅東側には日本製紙富士工場鈴川製造所へ続く専用線があり、製品輸送が行われていました。また、岳南鉄道線から分岐しジヤトコ富士事業所第一地区へ続く専用線もありました。

利用状況

旅客

JR東海：2023年度の1日平均乗降人員は6,014人です。
岳南電車：2021年度の1日平均乗車人員は839人です。

貨物

2001年度から2011年度にかけて貨物輸送が行われていました。

駅周辺

市街地から離れており、駅前は工場が目立つ程度で閑散としています。

バス路線

富士急静岡バスが東田子の浦駅、吉原中央駅方面への路線を運行しています。

隣の駅

JR東海東海道本線：東田子の浦駅 - 吉原駅 - 富士駅
岳南電車岳南鉄道線：吉原駅 - ジヤトコ前駅

脚注

JR東海 吉原駅
* 岳南電車 吉原駅

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