向之原駅

向之原駅：由布市の歴史と未来を繋ぐ駅

向之原駅は、大分県由布市挾間町向原に位置する、九州旅客鉄道（JR九州）久大本線沿線にある駅です。1915年（大正4年）、大湯鉄道の延伸開業と同時に誕生しました。以来、地域住民の生活の足として、そして歴史の証人として、時代と共に変化を遂げてきました。

歴史を刻む軌跡

当初は「むかいのはら」と読まれていましたが、1922年（大正11年）に国有化された際に「むかいのはる」に変更されました。その後、貨物と荷物の取扱いを廃止し、1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化を経てJR九州の駅となりました。2002年（平成14年）には老朽化した駅舎を改築、2003年（平成15年）には駅前広場と公衆トイレも整備され、現代的な駅へと生まれ変わりました。

ICカードSUGOCAの導入（2012年）、大分駅からの最終列車の延長（2015年）、そして2023年にはJR九州サービスサポートからの直営駅への移行など、常に時代の流れに沿った改善が続けられています。2020年（令和2年）の令和2年7月豪雨では被災しましたが、迅速な復旧作業を経て、運行は再開されました。

駅舎と周辺環境

向之原駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。ホーム間は跨線橋で連絡しており、バリアフリーにも配慮されています。約60平方メートルのコンパクトな駅舎は、旧駅舎のデザインを踏襲した鉄骨平屋建てです。かつては「挾間の里唄」が発車メロディーとして使用されていましたが、現在は使用されていません。

駅周辺には、かつて挾間町の商業の中心地として栄えた向原商店街、由布市役所挾間庁舎、由布市消防本部・由布市消防署、由布市健康文化センターはさま未来館（図書館と公民館を併設）、挾間小学校、挾間中学校、大分大学挾間キャンパス（医学部）と付属病院、イオン挾間店、ホームワイド挾間店、挾間郵便局といった重要な施設が集中しています。国道210号線や大分県道516号向之原停車場線もアクセスに便利です。

運行状況とアクセス

向之原駅は、特急「ゆふ」が停車します。一方、特急「ゆふいんの森」は通過します。普通列車は、大分方面と由布院方面に1時間に数本運行されています。運行本数は時間帯によって変動があります。

駅へのアクセスは、バス路線（大分バス、由布市コミュニティバス）を利用するか、お車でお越しください。国道210号線からアクセスしやすい立地です。

利用状況の変化

1965年（昭和40年）度の乗車人員は51万人以上と盛況でしたが、近年は減少傾向にあります。2015年（平成27年）度の乗車人員は約23万人でした。これは、自動車の普及や社会情勢の変化を反映していると考えられます。

向之原駅の未来

向之原駅は、地域の拠点として、そして久大本線の重要な駅として、これからも地域社会に貢献し続けるでしょう。歴史と現代が調和した、由布市の魅力を凝縮した駅として、未来に向けて発展を続けることが期待されます。 駅周辺の整備も進み、より便利で快適な駅を目指していくことでしょう。

脚注

* 駅の情報は、公開されている情報に基づいて記述しています。最新の情報と異なる可能性がありますので、ご利用の際は、JR九州の公式ウェブサイト等をご確認ください。

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