向井忠晴

向井忠晴

向井忠晴（むかい ただはる、1885年1月26日 - 1982年12月19日）は、日本の実業家であり、太平洋戦争中に三井財閥の指導者として活躍しました。1970年には勲一等旭日大綬章を受章し、1982年には正三位を追贈されました。

人物

東京市に生まれ、開成中学校を経て東京高等商業学校（現一橋大学）本科を卒業しました。一橋大学ではテニス部に所属し、選手として活躍する一方で、学業においても優秀な成績を収めました。同級生には、後に参議院議長を務めた佐藤尚武や、三井合名理事となった福島喜三次がおり、彼らと常に首席の座を争っていました。

向井は飛行機嫌いとして知られており、佐藤尚武から戦後の駐アメリカ合衆国特命全権大使就任を打診された際も、これを固辞したというエピソードがあります。1967年10月31日に行われた吉田茂の国葬儀では、友人代表として弔辞を読みました。

略歴

1904年：東京高商本科を卒業後、三井物産に入社。
入社後、上海支店勘定掛、本店穀肥部長、天津支店長、大連支店長、ロンドン支店長などを歴任。
1928年：中村藤一の後任として本店営業部長に就任。
1933年：三井物産取締役。
1934年：田島繁二と共に三井物産常務取締役に就任。
1936年：大正海上火災保険取締役。
1937年：三井物産から独立した玉造船所の取締役に就任。電気化学工業取締役も兼務。
1939年：三井物産代表取締役会長、三井合名会社常務理事に就任。
1940年：三井総元方が設置され、専務理事に就任。
1941年：三井総元方が理事長制に移行し、理事長に就任。
1943年：昭和飛行機工業会長に就任。元三井物産山西省太原出張所長の不正事件を受け、伊藤與三郎ら三井物産の常務取締役以上の全重役と共に辞職。
1945年：貿易庁長官に就任。親任官待遇を受ける。
1946年：公職追放。
1951年：三井造船顧問に就任。
1952年：第4次吉田内閣に大蔵大臣として入閣。
1954年：外務省顧問に就任。
1964年：勲二等旭日重光章を受章。
1970年：勲一等旭日大綬章を受章。
* 1982年：死去。正三位を追贈される。

親族

妻の秀は、金港堂書籍創業者の原亮三郎の六女であり、東京書籍初代会長の原亮一郎は義兄にあたります。

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