君とのDistance

ZARDの11枚目のオリジナルアルバム『君とのDistance』は、2005年9月7日にリリースされました。このアルバムは、ZARDサウンドを支えたアレンジャー、葉山たけしを2000年発売の「Get U're Dream」以来となるA面で起用し、先行シングル「星のかがやきよ/夏を待つセイル(帆)のように|星のかがやきよ_夏を待つセイル(帆)のように」に続き、多くの楽曲の編曲を担当しています。また、収録曲13曲中8曲が大野愛果による作曲であり、ストックやセルフカバーを除くと、大野愛果と徳永暁人の作曲で構成されています。前作同様、栗林誠一郎のストック曲も収録されています。

アルバムは、ZARD作品としては初のデジパック仕様で、ブックレットには『TODAY IS ANOTHER DAY』以来となるライナーノーツが掲載されています。また、ZARD作品として最初で最後の隠れHDCD仕様であり、坂井泉水の没後も含め、最後のオリジナルアルバムとなりました。

本作の発売告知は、ライブDVD『What a beautiful moment』の発売日に発表されました。当初は8月3日発売予定でしたが、制作上の都合により1ヶ月延期されています。

収録曲は、両A面シングル「星のかがやきよ／夏を待つセイル(帆)のように」の2曲を含む全13曲。

「夏を待つセイル(帆)のように」は、劇場版『名探偵コナン 水平線上の陰謀』の主題歌として起用されました。坂井泉水は「子供がノリやすい曲が良い」という観点からこの曲を選びました。曲名の表記は、「セイル」だけでは意味が伝わりにくいため、「セイル(帆)」と表記されたそうです。

「サヨナラまでのディスタンス」は、当初アルバムタイトル候補でしたが、坂井泉水がネガティブな印象を避けたかったため、『君とのDistance』に決定しました。アップテンポなアレンジが採用されています。

「かけがえのないもの」は、38thシングルとしてリリースされ、『恋するハニカミ！』のテーマソングになりました。

「今日はゆっくり話そう」は、39thシングルとしてリリースされ、『月桂冠』のCMソングとして使用されました。坂井泉水は、コーラスを「ゴスペル的なライン、雰囲気で」とリクエストしています。

「君とのふれあい」は、アルバムプロモーション用にPVが制作され、翌年発売の初の映像集『ZARD Le Portfolio 1991-2006』に収録されています。また、2008年発売のベストアルバム『ZARD Request Best 〜beautiful memory〜』では投票9位にランクインし収録されました。

「セパレート・ウェイズ」は、間奏にトランペットが使用されており、編曲は「この涙 星になれ」以来の古井弘人が担当しています。

「Last Good-bye」は、FIELD OF VIEW|FIELD_OF_VIEWに提供した楽曲のセルフカバーです。原曲から10年を経てのセルフカバーとなりました。

「星のかがやきよ」は、TVアニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマで、アルバムの中では最もテンポの速い楽曲です。

「月に願いを」は、3拍子のワルツ調の楽曲で、大野愛果が小学生の頃に思い浮かんだメロディがモチーフとなっています。

「あなたと共に生きてゆく」は、テレサ・テンに提供した楽曲のセルフカバーで、テレサ・テンの没後10年を機に歌うことを決意しました。間奏には中国語のセリフと二胡が取り入れられています。

「I can't tell」は、栗林誠一郎のストック曲で、前作に収録予定だったものの、葉山たけしのアレンジで収録されました。

「good-night sweetheart」は、坂井泉水が存命中に制作された、初にして最後の徳永暁人との共同作品です。ヴォーカルはスタジオのソファーでリラックスして歌ったテイクが採用されました。

「君と今日の事を一生忘れない」は、「母なる地球」「愛」という大きなテーマを掲げた楽曲です。2番のサビには歌詞がなく、ギターソロとなっています。トラック制作は2002年頃から進められていました。

アルバムには、多くのミュージシャンが参加しています。葉山たけし、古井弘人、徳永暁人、小林哲をはじめ、池田大介、大賀好修、綿貫正顕、岡本仁志、小川逸史、ブルース・ウィトキン、麻井寛史、勝田一樹、鈴木央紹、中野勇介、チェン・ミン、寺尾広、ブレンダ・ヴォーン、藤原美穂、ジェフリー・クエスト、大野愛果、大田紳一郎、岩井勇一郎、竹井詩織里、上木彩矢、墨谷美輝、高島信二、古川真一といった豪華な面々が名を連ねています。

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