呂常

呂常（りょ じょう）について

呂常は、161年から221年まで生きた中国の武将かつ政治家です。彼の生誕地は後漢末期から三国時代にかけて栄えた南陽郡博望県であり、同時期の他の武将たちと同様に、彼の人生は動乱の影響を色濃く受けました。

三国志における呂常の記述

『三国志』によると、呂常は建安24年（219年）、関羽が北伐して于禁を撃破した際に名を馳せています。関羽は樊城を包囲していたのですが、襄陽を守る呂常もまた、その包囲戦に直面しました。この当時、呂常は城を強固に守り、諸国の軍勢からの侵攻に対して毅然とした態度で臨んでいました。

碑文による彼の評価

『横海将軍呂君碑銘』には、彼の勇敢さと戦略的な能力が称賛されています。呂常は、高い城壁を築き、敵軍の侵入を防ぐ技術を持っていました。その結果、彼の守る襄陽は安寧を保たれ、武猛都尉、厲節中郎将、裨将軍に任命され、関内侯としても知られるようになります。

彼は建安13年（208年）に曹操の南征に参加し、見事な戦功を挙げました。この功績から陰徳亭侯に封じられ、襄陽太守としても任命されました。彼が襄陽太守を務めていた期間中、地域の治安を安定させ、民を教化することに貢献し、結果として平狄将軍に昇進し、盧亭侯に封じられるに至ります。

関羽との戦い

建安24年に関羽が襄陽城を包囲した際、呂常は法律をもって城の防衛に努め、兵士たちの反乱を防ぎながら、厳しい状況を耐え抜きました。そのため、関羽は襄陽を容易には落とすことができませんでした。関羽の敗死後、また建安25年に曹操が亡くなると、呂常は横海将軍に昇進し、食邑700戸が与えられました。

呂乂との関係

呂常の血縁関係について言及すると、蜀漢の呂乂も南陽郡出身ですが、彼の父との関係は不明瞭です。呂常は劉焉の西進を見送ったエピソードがあり、道が遮られたために呂乂と生き別れになっています。親子関係については議論がありますが、確証は得られていません。

物語の中の呂常

小説『三国志演義』第73回では、呂常は樊城を守りながらも、関羽に対抗すべく曹仁から兵を借り、出撃します。しかし、結果としては関羽に大敗を喫し、逃げ帰らざるを得ませんでした。物語的には、彼の功名や苦境が強調されており、歴史的な出来事からも彼の人物像が浮かび上がります。

呂常の最期

呂常は黄初2年（221年）正月に61歳でこの世を去ります。彼の死後もその武勇や政治手腕は語り継がれ、特に襄陽防衛のエピソードは後の世にまで影響を与えました。彼の生涯は、動乱の中での力強い存在感を示した一人の将軍の物語として、後人に記憶されています。

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