呉本成徳

呉本 成徳（くれもと しげのり）は、1981年4月8日に長野県諏訪市で生まれた元プロ野球選手です。主に内野手としてプレーしました。

プロ入り前

中学3年生だった1996年には、野球の日本選抜チームの一員に選ばれています。高校は地元の強豪、松商学園高校に進学。1年生の1997年には、第79回全国高等学校野球選手権大会にチームが出場。まだ1年生ながら、その高い打撃センスを見込まれて長野大会からベンチ入りを果たしていました。本大会では、本来一塁のレギュラーだった先輩選手が怪我でメンバーを外れたため、背番号3の一塁手として甲子園の舞台に立ちました。この大会では初戦で西京高校に3対4で惜敗しましたが、呉本は2打数1安打を記録しています。3年生時には主将を務め、1999年の第81回全国高等学校野球選手権大会に再び出場。この大会では4番打者、そして遊撃手としてプレーしましたが、初戦で尽誠学園高校に3対6で敗退。この試合では2打数無安打ながら1打点、1四死球を選んでいます。

高校卒業後は明治大学に進学し、東京六大学野球リーグで活躍しました。2002年春季リーグでは一塁手としてベストナインに選出されています。4年生となった2003年には主将を務め、秋季リーグ戦では、明治大学のリーグ通算1000勝目となる記念すべき試合で、自らの手でサヨナラ本塁打を放ち、劇的な勝利をもたらしました。このシーズンはリーグ単独トップとなる3本塁打を記録するなど、打撃でも存在感を示しました。リーグ戦通算では67試合に出場し、223打数58安打、打率.260、6本塁打、27打点の成績を残しています。大学時代の同期には、後にプロ野球に進む牛田成樹や佐藤賢、岡本篤志といった面々がいました。

そして2003年のNPBドラフト会議で、横浜ベイスターズから5巡目で指名を受け、プロ野球選手としての道を歩み始めました。

プロ入り後

横浜ベイスターズに入団してからの最初の3年間、2004年から2006年にかけては、残念ながら一軍公式戦への出場機会はありませんでした。二軍（イースタン・リーグ）でも、期待された打撃面でなかなか目立った成績を残せない時期が続きました。しかし、プロ4年目となる2007年に転機が訪れます。この年、二軍で打撃が開花し、打率.296、6本塁打、そしてリーグトップとなる54打点を記録。見事にイースタン・リーグ打点王のタイトルを獲得しました。守備面でも、これまで主に守っていた三塁や一塁に加えて、二塁にも挑戦するなど、出場機会を増やす努力を続けました。このファームでの活躍が高く評価され、2007年9月25日、ついにプロ入り後初めて一軍への昇格を果たしました。一軍初出場は10月1日、横浜スタジアムで行われた対阪神タイガース戦で、代打として打席に立ちました。そして10月6日の対広島東洋カープ戦（広島市民球場）では、同じく代打で登場し、プロ入り初安打を記録しています。

続く2008年も二軍ではチームで2番目に多い10本塁打を放つなど長打力を見せましたが、夏場に一軍で代打として起用された際には、残念ながら結果を残すことはできませんでした。2009年も引き続き代打での起用が中心となりましたが、思うような成績を残せず、その年の10月1日付で球団から戦力外通告を受けることとなりました。現役続行を目指し、シーズン終了後に行われた12球団合同トライアウトに参加しましたが、獲得に乗り出す球団は現れませんでした。これにより、プロ野球選手としてのキャリアに区切りをつけることを決断し、自身のブログを通じて引退を表明しました。その後、ブログは閉鎖されています。

引退後

プロ野球界から引退した後は、出身地である長野県に戻り、家業を手伝っているとされています。

記録・背番号

初出場: 2007年10月1日、対阪神タイガース23回戦（横浜スタジアム）、5回裏に代打で出場
初打席: 同上、5回裏に対戦相手投手から二塁ゴロ野手選択
初安打: 2007年10月6日、対広島東洋カープ24回戦（広島市民球場）、6回表に代打で出場、左前安打
初先発出場: 2009年6月10日、対北海道日本ハムファイターズ3回戦（札幌市円山球場）、7番・指名打者として先発

* 背番号: 55 （2004年 - 2009年）

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