周徳威

周徳威の生涯と戦功

周徳威（しゅう とくい、? - 918年）は、五代後唐において名を馳せた将軍である。彼の字は鎮遠、小字は陽五とされ、朔州馬邑県の出身であった。周はその才能を早くから示し、李克用の配下で騎将としてのキャリアをスタートさせた。彼の将軍としての経歴は、段階的に昇進を重ねていった。

最初は騎将として戦場での経験を積み、その後衙内指揮使に昇進。そして振武軍節度使や同中書門下平章事としても活動した。910年には後梁が王鎔を攻撃している最中に、周は少数の兵を率いて増援に馳せ参じ、その結果、後梁軍を破る功績を挙げた。この戦いでは「陳夜叉」と呼ばれる名将、陳章を捕虜にすることに成功した。

さらに、彼は桀燕の劉守光を攻撃し、涿州と幽州を占領するなど、その戦略眼と指揮能力の高さが際立っていた。これらの戦功により、周は盧龍軍の節度使に任命されることとなった。特に契丹からの侵攻を受けた際には、幽州を200日間防衛し、李嗣源からの援軍が到着するまで持ちこたえた。

周はまた、李存勗に対して後梁に対する迅速な攻撃を進言したが、彼の意見は受け入れられなかった。このことは、周にとって複雑な心境を抱かせたことであろう。

しかし、彼の軍歴は最終的に悲劇的な結末を迎える。胡柳陂の戦いで、周徳威は敵軍に包囲され、その混乱の中で味方の潰走に巻き込まれ、戦死してしまった。彼の死はその後の戦局にも影響を与えたと言われている。

逸話

周徳威は「単無敵」と名高い桀燕の単廷珪を一騎打ちで捕虜とする戦果を上げた。彼の強さを恐れた朱全忠は、周を捕える者には刺史の地位を与えるという布告を出した。この声明は周の命をさらに危うくすると同時に、彼を標的とする敵軍を生んだ。

周は、周囲が彼を捕まえようと必死になる中、目立たないように甲冑を脱ぎ、兵士と同じ格好に戻った。この巧妙な策略によって、周は敵の将、陳章をあっさりと馬から叩き落して捕虜とすることに成功した。

子女

周徳威には幾人かの子女がいた。子供たちの名前には、周光輔、周某、周光貞、周光遜、周光賛といった名前があり、彼の家系は後世に継承されていった。周徳威の業績と逸話は、後の歴史に語り継がれることとなった。

脚注

周徳威の生涯に関する情報は、『新五代史』巻21に記されており、彼の戦績や戦術の傑出した点を知る手助けとなる文献である。

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