和気神社 (霧島市)

和気神社について

和気神社（わけじんじゃ）は、鹿児島県霧島市にある由緒ある神社です。この神社では、和気清麻呂公命が祭神として祀られており、神号は護王大明神です。和気清麻呂は、神護景雲3年（769年）に宇佐八幡宮神託事件に関与した結果、大隅国へ配流されましたが、その後名誉を回復し、再び京都へ戻った歴史があります。

由緒と歴史

この神社の歴史は嘉永6年（1853年）にさかのぼります。この年、鹿児島藩の第11代藩主である島津斉彬が日向国と大隅国を視察した際、和気公の配流地を調査しましょうと命じられました。この調査により、和気清麻呂がこの地に流されていたことが明確になりました。

昭和14年（1939年）には、和気清麻呂公の精忠を顕彰する団体が設立され、神社の創建を願う活動が開始されます。そして昭和17年（1942年）5月6日には、正式に県社としての創立許可が下り、翌18年に工事が開始されました。しかし、実際に神社が完成し、鎮座したのは戦後の昭和21年（1946年）3月になってからです。

祭祀行事

和気神社の主要な祭りは例大祭で、毎年5月6日に行われるこの祭りは、神社の創立許可が下された日はとしても特別な意味を持っています。また、11月の第3日曜日には亥の子祭りが行われ、地域住民や参拝者が集まって楽しまれています。

境内の特徴

境内には、重要なシンボルとして狛猪が据えられています。この狛猪は、豊前国に上陸した際に、宇佐神宮を訪ねようとした和気清麻呂を守ったとの伝説から、彼の守護神とされています。また、白い猪「あいちゃん」も境内で飼われており、この猪は亥年に奉納されたもので、地域の愛される存在となっています。その後、和気（わけ）ちゃんというもう一頭の白猪も加わるなど、猪が神社のシンボルになっています。

社務所の近くには、坂本龍馬とお龍の新婚旅行の記念碑が立てられ、彼らがこの地を訪れたことも歴史的な意味を持っています。また、鳥居の前には「忠烈和気公之遺跡碑」と「義人稲積翁之碑」があり、稲積翁は和気清麻呂が配流中に世話をした人物として知られています。さらに、滝見台からは中津川にかかる犬飼滝を眺めることができ、訪れる人々に癒しを与えています。

アクセス

和気神社へは、国道223号から妙見温泉を経由し、鹿児島県道470号犬飼霧島神宮停車場線を通ってアクセスできます。県道からは徒歩で参道に上がることができ、車で鳥居まで乗入りすることも可能です。近くには鹿児島交通の犬飼バス停があり、霧島神宮駅と霧島温泉駅間の便が運行されています。また、鹿児島空港からも観光バスが出ており、霧島エリアを訪れる際にはぜひ立ち寄りたい場所です。

和気神社は、その歴史と文化を感じることができる特別な場所であり、訪問者にとって心の安らぎをもたらします。

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