国際コーヒー機関

国際コーヒー機関（ICO）とは

国際コーヒー機関（International Coffee Organization：ICO）は、世界のコーヒー生産と貿易に関する国際協定を協議・実施する国際機関です。1962年に国際連合で定められた国際コーヒー協定を根拠とし、1963年12月27日に設立されました。本部はロンドンにあります。

設立の背景と目的

ICO設立の主な目的は、コーヒーの生産国と輸入国間の経済力の不均衡を是正し、コーヒー価格と供給の安定を図ることです。国際コーヒー協定は、コーヒーの生産と輸出に関する国際的な取り決めを定め、不公平な貿易慣行を是正しようとするものです。

歴史的経緯

1962年の協定発効以降、ICOは複数回の協定改定を経て現在に至ります。以下に、主な協定の変遷をまとめます。

1962年協定（1963年7月1日発効）: 輸出割当制度が採用されました。
1968年協定（1968年10月1日発効）: ブラジルでの不作による価格高騰を受け、1973年に輸出割当制度が崩壊しました。
延長された1968年協定（1973年10月1日発効）: 輸出割当制度が削除されました。
1976年協定（1976年10月1日発効）: 相場に応じて輸出割当制度を停止・再導入する条項が追加されました。
1983年協定（1983年10月1日発効）: 相場変動に応じて輸出割当制度を停止・再導入しました。
延長された1983年協定（1989年10月1日発効）: 輸出割当制度を停止したまま延長されました。
1994年協定（1994年10月1日発効）: 輸出割当制度の条項が削除されました。
延長された1994年協定（1999年10月1日発効）
2001年協定（2001年10月1日発効）: 民間部門諮問委員会の設置、消費振興、生産国の生活水準の改善、労働者の労働条件の改善などが盛り込まれました。
2007年協定（2011年2月2日発効）（現行）: 現在有効な協定です。

加盟国

ICOには、輸出を行う45カ国と輸入を行う30カ国、合計75カ国が加盟しています。

輸出国メンバー

アフリカ: アンゴラ、ベナン、ブルンジ、カメルーン、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、コートジボワール、エチオピア、ガボン、ガーナ、ギニア、ケニア、マダガスカル、マラウイ、ナイジェリア、ルワンダ、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ
南米: ボリビア、ブラジル、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ベネズエラ
中米: コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エルサルバドル、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ
アジア: インド、インドネシア、パプアニューギニア、フィリピン、タイ、ベトナム

輸入国メンバー

ヨーロッパ: オーストリア、ベルギー、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ラトビア、アイルランド、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、スロバキア、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、EU
北米: アメリカ合衆国
アジア: 日本

日本の関与

日本は1964年から国際コーヒー協定に参加しており、2003年度の運営分担金は14万5148.5UKポンド（全体の6.4%）でした。日本はコーヒーの主要な輸入国として、ICOの活動に重要な役割を果たしています。

その他の情報

国際コーヒーの日: コーヒーの普及と振興を目的とした記念日。

外部リンク

ICO公式ホームページ
コーヒー協会のICO紹介ページへのリンク'>ICOとは - 全日本コーヒー協会

ICOは、国際的な協力によってコーヒー産業の安定と発展を促進する重要な機関です。

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