国際レーニン学校

国際レーニン学校の概要

国際レーニン学校（通称ILS）は、1926年にモスクワで設立されました。この学校は共産主義インターナショナル（コミンテルン）の第5回大会の決議を受けて設立されたものであり、主にコミンテルン及びその支部のメンバーのトレーニングを目的としていました。この学校は最高幹部養成機関と位置づけられており、同時期に存在した他の教育機関よりも上級とされていました。日本では「レーニンスクール」や「レーニン大学」としても知られています。

当初の学長にはニコライ・ブハーリンやクラウディヤ・クルサーノヴァが就任しました。国際レーニン学校は1926年から1938年までの間に、3,000人以上の学生に対して教育を行いました。この教育プログラムでは、労働者階級の歴史や帝国主義の政治経済学、マルクス主義の理論、ソビエト経済事業における経験則などが教えられました。また、早期には学生たちがソビエト共産党のメンバーになることもありました。

レーニン学校の影響

国際レーニン学校で学んだ学生たちの多くは、その後、世界各地で重要な役割を果たしました。特に、1960年代までに多くの卒業生が共産主義政府の指導者となり、あるいは野党の重要なリーダーとして足跡を残しました。その中には、ギリシャのニコラオス・ザカリアディス、ユーゴスラビアのヨシップ・ブロズ・チトー、ポーランドのヴワディスワフ・ゴムウカ、東ドイツのエーリッヒ・ホーネッカーといった共産主義政権のトップが含まれます。また、フランス共産党書記長のワルデック・ロシェや南アフリカ共産党の指導者であったモーゼス・コターネも、同校の卒業生です。

さらに、レーニン学校にはハリー・ヘイウッドやダビッド・アルファロ・シケイロス、韓国の朴憲永など、世界で影響力を持つ多くの人物も在籍していました。彼らの存在が、国際的な共産主義運動に大きな影響を与えました。

日本人留学生

国際レーニン学校には、日本からも多くの留学生が訪れました。中でも、佐野博は帰国後に武装共産党の指導者となり、高橋貞樹やアメリカ共産党日本人部を通じて留学した健物貞一、木元伝一（ジャック木元）、鵜飼宣道（ジョー小出）といった人物も名を連ねています。彼らは、日本における共産主義運動の発展にも寄与しました。

関連する教育機関

国際レーニン学校は、他の共産主義教育機関とも関係があります。例えば、東方勤労者共産大学は中堅幹部を養成するために設立され、主にアジア圏からの留学生が参加していました。また、モスクワ中山大学は中国国民党との協調のために設立された大学であり、国際レーニン学校の影響を受けています。そして、パトリス・ルムンバ名称民族友好大学もまた、東方勤労者共産大学と同様の教育機関として存在していました。

このように、国際レーニン学校は単に教育機関にとどまらず、国際的な共産主義運動の中で重要な役割を果たしてきました。その影響は現在に至るまで続いているといえるでしょう。

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